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秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

八戸の春告げ鳥

2024年02月16日 | 青森県_三八地方

 すごかった。

 こんなだったっけか。
 
 
 今回は,前日も,前々日も,午後から来たのだが,こんなではなかった。
 それが,いきなりすごいことになっていた。
 
 
 青森県八戸市にある蕪島は,日本一のウミネコ繁殖地。小高く盛り上がった蕪島の頂上には,2015年に焼失し,2020年に再建した蕪嶋神社がある。
 蕪嶋神社とその周辺施設は,再建・再整備により,非常にきれいに,立派になった。
 
 
 ここは,限られた面積に3万羽とも4万羽ともいわれるウミネコが繁殖のために飛来する場所で,100年以上前から,国の天然記念物に指定されている。
 
 
 全国に10か所以上あるウミネコ繁殖地のどこもが,人が近づきにくい崖や離島にあり,人が身近に観察できる繁殖地は,全国で唯一,ここだけ,という。
 
 
 ここも,元々は島だったが,太平洋戦争中の1942年に軍事施設を建設するため,旧日本海軍が,埋め立て,陸続きにしたらしい。
 
 
 ウミネコ繁殖地として国の天然記念物に指定されたのが,この20年前の1922年だったので,おそらく,海軍の軍事施設内でも継続して繁殖していたのだろう。
 
 
 また,戦争末期にあった八戸空襲では,軍事施設があったここも標的になったと思われる。
 ここにおけるウミネコ繁殖は,太平洋戦争もくぐって,今に至っている,ということ。
 
 
 さて,この日は,まだ営巣したり抱卵したりする感じではなかったものの,多数のウミネコたちが,ちょうど良いあんばいに距離をとって場所取り(?)をしていた。
 
 
 なかには,あたかも抱卵しているかのように,地面にお腹をつけて,うずくまっている姿も,あちらこちらで見られた。
 
 
 また,「ウミネコの繁殖エリアにつき立入禁止」という主旨の看板が各所に設置されていたが,逆に,ウミネコの方が,神社境内や通路など,人間エリアに進出していた。
 
 
 通路にいるウミネコは,踏んでしまいそうなほど近いが,飛んで逃げることはなく,人が来ると面倒くさそうにノタノタ歩いて避けるだけ。
 この子は,営巣準備のためか,わらをくわえていた。
 
 
 そんな状態なので,望遠レンズが使いづらく,撮影はスマホも活用。
 …ではあったが,ウミネコの数に圧倒され,興奮してしまい,帰ってから見たら,あまり撮影していなかったのが,残念。
 
 
 これは,なんと不敬なウミネコちゃん。
 ではあるが,やむなし。
 
 
 鳥居の上にも並んでいる,ということは,やっぱり,鳥居の上にも「運」がいっぱい。
 
 
 ご親切にも,参道の入口脇には,ビニール傘も用意されていた。
 当たって嬉しい「運」がある一方,そうでもない「運」もある,ということ。
 
 
 最後。
 全身を振り絞るように鳴く姿。
 
 
 一旦,限界まで首を曲げ,力を蓄えた上で,その後,声を爆発させる。
 
 
 八戸では,蕪島へのウミネコの飛来が春の訪れ。
 これから,これから。
 もっと来る。
 
 それにしても,3万羽を超えるウミネコの繁殖,子育てを支える八戸の海って,すごい!
 
(2024/02/12  ウミネコ)
 


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