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LEON INTEGRAL VERSION 『 レオン 完全版 ( 1996 ) 』
1996年 アメリカ 監督 : リュック・ベッソン
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STORY LEON 『 レオン 』
ちらほらと水面に飛び交う水鳥を見下ろしながらセントラルパークの上空を
まるで鳥にでもなったようにあたりの景色を眺める ・・・
静かに、音もなくニューヨークの街中をその視線は彷徨う
喧騒が溢れるニューヨークの街をただ視線は音もなく静かにある場所を探して彷徨う
リトル・イタリ― ・・・ 視線はその中の一軒の古びた小さなイタリアンレストランに
音もなく吸い込まれて行く ・・・ 。
薄暗い開店前の店の中 ・・・
一杯のグラスに注がれたミルクの前で
この店のオーナーらしきやや年配の男が煙草の煙をくゆらせながら低く落ち着いた声で
テーブルの向こう側に座るサングラスの男に話し掛ける
「 でっ、調子はどうだ レオン ・・・ 」
グラスを持つでもなく、さっきからそっと底の部分に両手を置いている男
濃いサングラスをかけ瞳をうかがう事は出来ない
こけた頬は白いものが少し交じりはじめた無精髭に覆われている
男は問いかけに躊躇なく答えた。
「 いい ・・・ 」
二人は一しきり仕事の話をすますと ・・・
サングラスの男はミルクを飲みほし店を後にする。
物語はここから始まる ・・・ 。
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レオンは一日2パックのミルクとトレーニングを欠かさず、観葉植物を友として生きてきた殺し屋。
そんな彼のもとに同じアパートに住む少女が逃げ込んで来る。
彼女の名はマチルダ
麻薬絡みの騒ぎに自分以外の家族を皆殺しにされたのだった。
彼女が最も愛していた年端もいかぬ弟までも無残に殺されてしまったのだ。
彼女は復讐を誓い、その為の殺し方を教えるようレオンに懇願するのだった ・・・
家族を失った孤独な少女と
大都会のただ中に一人殺し屋として生きる孤独な男との
父娘とも恋人ともつかぬ愛情がはぐくまれる中二人は宿命ともいえる最後の戦いに突き進んで行くのだった。
スタンフィールド ・・・ 彼は麻薬捜査官でありながら麻薬に手を染め
マチルダの家族を皆殺しにした首謀者。
ついにマチルダは、スタンフィールドを標的にしなくてはならない相手である事を知り居場所をつきとめる。
彼女はレオンの警告も聞かず単身麻薬取締局のスタンフィ-ルドの事務所へと乗り込んで行く
しかし、反対に囚われの身となってしまう。
置き手紙でこれを知ったレオンはマチルダの後を追って麻薬取締局に彼女を連れ戻しに向かい
マチルダの家族殺しにかかわったスタンフィ-ルドの同僚部下たちをことごとく始末する。
レオンはマチルダを救い出しアパートに戻る。
そして、何年かぶりに熟睡するのだった。
それまでの暗い部屋で一人椅子に座り片目を開け熟睡できない生活から解放されたのだ ・・・
マチルダとの間に芽生えた信頼感、安心感、愛情の為なのだろうか ・・・
平穏な時はそうは続かなかった。
スタンフィールドは自分に復讐を企てる二人を警察権力を総動員して抹殺に掛かる
そして魔の手は彼らのアパートを包囲し総攻撃の時間が二人に迫る
その時は来た、壮絶な銃撃戦が始まるのだった。
マチルダに一足先にこの危険な場所から逃げ出す事を願うレオン
レオン一人を置いて逃げる事を拒むマチルダ
レオンは、観葉植物を彼女に携えると必ず生きて再会する事を誓い送り出す
最期の時が近づく ・・・
レオンの後ろ姿が出口へと向かう ・・・ あと数歩でマチルダの待つ店へと続く道に出られる ・・・
スタンフィールドがレオンの背中に銃口を向けている
銃声と共にレオンの視線があたりを何かを探すように彷徨う
倒れ込んだレオンは遠ざかろうとする意識の中で何かを握りしめる。
そしてスタンフィールドと対峙したことを確認すると
「 あんたに贈り物だ、マチルダからの ・・・ 」 そう言ってリングピンを彼に手渡す。
リングトリックだ ・・・
レオンの防弾ベストの内側には数個のピンの抜かれた手榴弾が ・・・
視線の先の現実にスタンフィールドは
「 やられた ・・・ 」
轟音と共にレオンとスタンフィールドは炎の海に包まれる。
レオンの死を知ったマチルダは、彼に渡された観葉植物を抱え寄宿舎学校へ戻るのだった。
そして一人校庭の片隅にそれを植えると
それに向かってそっと話しかける
「 ここなら安心よ ・・・ レオン ・・・ 」
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冷酷な殺し屋レオンが過去を告白し、マチルダの愛にこたえた悲しい純愛の結末 ・・・
エンドロールにのせてて流れるスティングの透き通って暖かく丁寧に歌いこまれる歌声が
何か物哀しく心に響き渡ります。
ギターとハーモニカの淋しい音色が悲しみを誘う ・・・
ハッピーエンドで終わらない、何か最後に考えさせられる
やはりリュック・ベッソンはそんな手法をハリウッドに持ち込もうとしたのだろうか ・・・ 。
『 凶暴なまでの純愛 』 のラストに相応し一曲です。
Sting “ Shape of My Heart ”
CAST
レオン ジャン・レノ
マチルダ ナタリー・ポートマン
スタンスフィールド ゲイリー・オールドマン
トニー ダニー・アイエロ
マルキー ピーター・アペル
マチルダの父 マイケル・バダルコ
マチルダの母 エレン・グリーン
ほか
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リュックベッソンが描く 愛の、純愛の 極致
ニキータ が女性版ならばその対極が レオン です。
ゲイリー・オールドマンのスタンフィールドとしての演技が
ナタリー・ポートマン 、ジャン・レノの演技を際立たせています。
彼無くしてレノンの秘められた人間性の豊かさは引き出されなかったのでは ・・・
そう私は思っております。
また、当時この映画でのナタリー・ポートマンの眩いばかりに輝く演技力は、
その後の彼女の活躍を想像させるに十分なものだったに違いありません。
ジャン・レノの朴訥な演技は、今なお多くの映画不ファンを引き付ける何かがあります。
『 レオン 』
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ハイ !
by ちぃ君
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