ビロ君のパパ
ワンコの事で、『 思うように行かない ・・・ 』 と言えばもう一つ ・・・
ショードッグの世界もそうでしょうね。
思い起こせば四十年ほど前のお話し、はじめてドッグショーを経験した時の事でした。
今は亡き叔父は、私と弟をリングサイドから離れたところで待つように言うと
ビロ君を連れてリングの方向へ向って行きました。
かなりの時間待っていたかと思います。
戻って来た叔父は、開口一番 『 彼らはビロの良さが、この犬の良さがまるでわかっていない ・・・ 』
『 一番になれると思ったんだけど駄目だったよ。 』 そう言うと
私たち兄弟に大きな箱に入ったトロフィーを渡してくれました。
叔父は、しきりに反省しておりました。
叔父にとって二番じゃ駄目だったらしい ・・・
( 蓮舫さん、ヤッパリ挑戦するからには、一番じゃないと駄目なものが沢山ある様ですよ ・・・ ハイ
)
ハンドラーである叔父が交通事故の為に少しばかり足が不自由であった為
ビロ君の歩様に乱れが出てしまったのだとか ・・・
当時、まだミニチュア・シュナウザーに詳しいジャッジがいなかったのだとか ・・・
その二点を気にしながら ・・・
『 思うように行かないなぁ~ ・・・ 』
『 ビロは、いい犬なのに ・・・ 』
『 ミニチュア・シュナウザーは、いい犬なのに ・・・ 』
叔父は、雄雌数頭のミニチュアシュナウザーの中から一頭の雄と二頭の雌を選び
ショーマナーを教え込んでいたようです。
最終的に、一頭の雄 ( ビロ君 ) に絞り込みマナーを教え込んでおりました。
確か叔父は、当時シェパードやその他の大型犬にもマナーを入れてオーナーハンドラーとして
ドッグショーに時折り出陳していたようです。
時々その訓練の様子を見せてくれましたが、彼らが叔父の指示通りに行動するのを見て
感心してしまいました。
ステイや並足、速歩、叔父との位置関係をほぼ一定に保ちながら
キリっとした姿勢で歩く姿は、輝いていました。
また、家庭犬としてのマナーも訓練してくれておりましたので日常の私たち家族とのお散歩や生活も
困らされる事は殆んどありませんでした。
ショーの当日、叔父がなぜ私たちにリングサイドに来ない様に言ったのか ・・・
新米ショードッグオーナーとなった今、初めて分かりました。
ショーの間、彼の集中力を途切れさせるような状況をできるだけ作らない ・・・
叔父は、細心の注意を払ってショーに臨んでいた事が分かりました。
私たち兄弟がリングサイドにいて、万が一にも彼の集中力が途切れてしまう事を危惧していたようです。
ありとあらゆる事を考えて臨んだドッグショー ・・・ それでも叔父にとっては
『 思うように行かない ・・・ 』 結果だったようでございます。
これは、もうドッグショーに係る方々が常に感じられる事なんでしょうね。
ちなみに、ビロ君のショーチャレンジは、この時が最初で最後となってしまいました。
ファッションと私たち
の関係は ・・・
初めて会ったどこかのおばちゃん
と、
カメラ担いでショー会場を走り回っているどこかのおじちゃん
。
・・・ これで良いんです。
ショーチャレンジの間、この関係でいられれば、彼はブリーダーさんと思う存分楽しめるんです。
何も気にせずドッグショーを楽しめるんです。
リングサイドから彼の様子が眺められれば ・・・
私たちは、ドッグショーが終わった後、彼と少しだけ触れあえれば ・・・ それでいいんです。
今の私たちは、彼のショーチャレンジの障害になってはならないのです。
チョッピリ淋しい事ですが ・・・
『 思うように行かない ・・・ 』 事 ・・・ 人生には、まだまだたくさんありますね。
ハイ !
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