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民進・有田芳生参院議員「人権問題に終着点はない」

2016-06-05 15:34:14 | 政治・経済
 野党議員の発言シリーズとして、今回は有田芳生・民進党参院議員の発言について書く。
 先月、ヘイトスピーチ対策法案が参院法務委で可決された際の発言である。(引用は、朝日新聞電子版より)


《専門家は「奇跡的だ」と表現するが、それが実感だと思う。この3年間、ヘイトスピーチの現場で体を張って差別反対をしている人たちの運動があり、被害当事者の人たちの現場で声をあげる努力があった。だけど、しみじみ思うのは、人種差別撤廃条約に日本が加入した当時から、人権問題を扱ってきた研究者や弁護士の努力がなければここまできていなかった。
 ただ、これは問題のない法案ではない。研究者たちはこの法案をきっかけに、どういう使い方ができるかという指針を近々作っていく。それに基づいて全国でさらに(反差別の)運動が高まっていくし、その人たちを支え励ますものになるだろうと思う。人権問題に終着点はない。これで終わりではなく、ここから次の地点に進んでいかなければならない。人種差別撤廃条約に加入して21年。ようやく、出発点にきたということではないでしょうか。》


 ヘイトスピーチを規制する法制度には、意義がある。デモや集会が禁止されるということについて、それが拡大して運用されることはないかという一抹の不安もなくなはないが、ヘイトスピーチを野放しにしていることのほうが大いに問題であるにはちがいない。
 この件に関しては、昨年野党側が禁止法案を提出するなど、野党のほうが積極的に動いてきた。今国会で与党が提出した法案でも、与野党が修正協議して合意してきた経緯がある。そういう意味で、野党側もこのヘイトスピーチ対策法には深く関与しており、それも踏まえてのこの有田氏の発言だろう。

 一方、その過程で「日本のこころを大切にする党」の中野幹事長が反対を表明したりもしている。
 彼がいうには、沖縄の人たちが米軍基地に対して行っている抗議も「ヘイトスピーチ」なのだそうだ。いうまでもなく、ばかげた言説である。沖縄の抗議活動者たちは米軍基地とその関係者に抗議しているのであって、“アメリカ人”という人種を理由にして攻撃しているわけではない。実際に住民に迷惑をかけている団体に対して抗議するのと、特定の人種をターゲットにして罵詈雑言を浴びせるのとではまったく意味合いがちがう。それにしても、与党の補完勢力であるこの党の幹事長がそういうことをいっているあたり、自民党のなかにも同じような考えをしている議員は少なからずいるのだろうな、と想像してしまう。

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