野党が幅広く共闘する“オリーブの木”構想が進んでいる。
「オリーブの木」とは、いうまでもなくイタリアの中道左派連合の名に由来するが、聞くところによるとオリーブの花言葉は“平和”だそうで、そうするといまの日本ではまたもうひとつの重要な意味を持ってくることになる。
ゆっくりとではあるが、オリーブの木は、少しずつ生長しつつある。
以前、熊本での無所属候補擁立の動きについて書いたが、先日、ついに具体的な候補者が決定した。また、石川県でも、同じように無所属候補を立てる動きが進んでいるという。さらに、長野ではTBSを退社する杉尾秀哉氏を民主党が擁立する動きがあると報じられている。これに応じて共産党は候補者を取り下げるかまえだ。杉尾氏といえば、TBSのさまざまな報道番組に出演していて知名度も高い。他の野党が一致して援護にまわれば、かなり有力な候補になるだろう。
このように、少しずつではあるが、野党共闘は確実に進んでいる。
参院選までは、あと七ヶ月あまり。その間に、さらにこの動きは進展するだろう。以前も書いたが、有権者からの働きかけが、それを後押ししているのだ。これこそ民主主義というものではないか。
このように野党共闘が進んでいけば、「選挙にいってもどうせ無駄だ」と思っているような層にも、投票行動を促すことになるだろう。ある種の絶望感というか虚無感のようなものにとらわれて政治から遠ざかっている人たちもかなりいると思われるが、選挙によって閉塞状況が打開されうるという現実的な見通しが出てくれば、そうした人たちも見方を変えるかもしれない。そして、そうして動き出す人があらわれれば、それがさらに新たな層を動かしていくという正の循環がはじまり、なだれのように一気に空気が動く可能性もある。
そしてそれは、比例票の掘り起こしにもつながる。自分の選挙区から出ている野党統一候補に投票する有権者は、ほぼ確実に、比例でも野党のどこかに票を投ずるだろう。仮に一人区で勝てなかったとしても、比例の票を増やすことができればそのぶんは確実に結果に反映される。そういう意味でも、野党共闘の動きをはっきりと目に見えるかたちで進めていくことが重要なのだ。
オリーブの木は、まだ苗木だ。
その若木がしっかり根を張り、枝を伸ばすように、有権者である国民が育てていく必要がある。そうして、平和主義というオリーブの実が実ったときに、この国は本当に民主主義国家だと胸を張っていえる日がくるだろう。
ぱよぱよ、ち~ん。