命のカウントダウン(健康余命3605日)

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坂根医院がオーバーフローして来ました

2022-03-07 23:44:40 | 新型コロナウィルス
奈良県中部、田原本町に存在する医療法人坂根医院、24年前の開業以来、内科外来診療と共に在宅医療、特にがん末期の方や神経難病の方でご自宅で生活を継続したい方への医療的援助に力を入れてきたつもりです。そして、2年前からは新型コロナ感染症に対する 診断、治療、自宅での生活援助にも力を注いできました。

それが、少しづつ患者さんに認めていただいてきたのだと思います。かかりつけではない初めて受診される「新型コロナ疑い」患者さんが増えています。PCR検査希望の方が多いです。坂根医院では1時間に2人しかPCR検査が出来ないので、先ず抗原検査を施行します。それで抗原検査が陽性であればそれを信用してPCR検査はしません。抗原検査が陰性で、新型コロナ感染の疑いが強かったり職業上PCRでの陰性が求められる時はPCR検査をします。抗原検査は10分以内、陽性の場合1分程度で結果が出ますが、PCR検査は感度も高く、信頼性も高いですが40分から60分の時間を要するのが難点です。

今日の坂根医院は、20台以上ある駐車スペースが満杯になることが何回もありました。新型コロナの検査希望の方が30数名、新型コロナワクチン接種の方が20名、そして生活習慣病の通常の患者さんが60名ほど。往診患者さんは4名でしたが、そのうち2人は訪問診療で本日、新型コロナ陽性と判明しました。

その二人は、同じ家の方なのですが・・・数日前から孫、子、親と、3世代が次々に38℃前後の発熱を来しているにもかかわらず、出入りしている訪問看護ステーションや訪問診療医にその情報は伝わっていませんでした。
「複数の発熱者がいれば、このご時世、新型コロナを疑って当然、何で言ってくれなかったのですか?」と詰問しました。
すると、在宅の新型コロナ診断キットで発熱者3人の検査をしたら全て陰性だったそうです。それがこのキットです。
https://toamit.jp/products/toa-caa-rd/?gclid=Cj0KCQiA95aRBhCsARIsAC2xvfwmkVqPkEirezJrUaDkArCHbUJFN50u0QD8csIl6wuwn-L0lYY05IcaAny6EALw_wcB
このキット、クソの役にも立ちませんよ。ただ単に害毒です。本当に腹立たしいです。
明らかに陽性のひとに「陰性です、大丈夫です」というくそったれな判断をするのですから!!本当に厚生労働省は処罰するべきです!!私、そう情報をあげておきます。

この、くそったれキットのお陰で、訪問看護師や訪問入浴スタッフが複数名危うい状態に陥っております。本当に腹立たしいです。

私は、はなからこんなものを信用していませんから、状況を聞いて新型コロナ感染の疑いが極めて高いですと宣言し、訪問の際は窓を複数あけていただいて風通しを良くしたうえで訪問し、完全武装の上で診察して手早く抗原検査施行、すぐに陽性結果を得ました。

でも、患者さんとその母親の抗原検査をして色々と説明をしてから医院に帰ったら、診療開始時間を30分過ぎており、患者さんに多大な迷惑をおかけしてしまいました。そしてその後も遅れを取り戻すことはなかなかできず、診療が終わったのは既定の7時半を1時間ほど過ぎておりました。それから、本日13名おられた新型コロナ新規陽性者のHER-SYS入力をしたり、陽性者に配る印刷物を刷ったりしていたら・・・今日も10時を過ぎての帰宅となってしまいました。
 
 やりがいに満ち満ちた毎日でございます!!体力の続く限りはやりがいに浸って生き続けたいと思っています!!

入院先がなかなか決まらなかったお話

2022-03-07 07:08:29 | 在宅医療
先日、慢性呼吸不全の患者さんで在宅で治療していた高齢男性の状態が悪くなりました。患者さんご本人は病院嫌いで「絶対に入院したくない」と、これまでおっしゃっていたのですが、その日は呼吸不全の悪化、心不全の悪化などから意識レベルも低下していました。在宅での持続点滴が一か月前から続いてきたこともあり、ご家族の疲労も限界に達しており、総合的に考えて「入院加療しかないですね」という結論に達しました。(ご本人はこの決定に参加しておられません。傾眠状態でしたから)
それで、土曜の夕方6時ころより入院先を探しました。話にリアリティを持たせるために、病院は実名をあげます。でも、入院を断られたことを非難しているわけでは決してないです。病院には各病院の事情があります。それは理解しているつもりです。入院が困難な現在の状況を皆さんにお伝えしたいと思います。

先ず、その日の当番病院であった国保中央病院に電話をしました。当直医師「これから、コロナの陽性患者が入院します。病棟をやりくりしても、チョット難しいです。他を当たってみてください。どうしてもダメだったらまた声をかけてください。」との事でした。それで、どこで受けてもらえそうですか?と、聞いたところ「奈良県立医大病院はどうでしょうか。」と言われました。
それで、奈良医大の呼吸器内科に繋いでいただいたのですが、なんだかんだやり取りがあった後、「カルテが無い方の新規入院は無理です。」との事でした。その後、済生会中和病院、天理よろづ病院、平成記念病院、平尾病院、土庫病院、高井病院(順不同)とことごとく断られました。病院に電話を掛けるたびに患者さんの状態を説明し、窮状を訴える。そして断られるというのは相当な精神的ダメージです。普段からこんなことを繰り返されている救急隊員の方々、本当にご苦労様です。今回は、救急隊を呼ぶ前に入院先を決めようと思っていました。これで国保にもう一度断られたら、救急隊に探してもらうしかないかなと思っていました。

勿論、新型コロナは抗原検査でを確かめていたのですが、役に立ちませんでした。済生会中和病院は、以前院内クラスター感染で痛い目にあったので、入院時にPCR検査を日を変えて2回施行するとの事でした。そうでもしないと入院患者を守れないのですね。病院も大変です。
それで、振出しに戻って国保中央病院に、全て断られた話をし、患者さんの状態をもう一度伝えたところ、「では少しお待たせすると思いますが、来てください」と、入院許可をもらいました。それで、そちらで待つのであれば、救急搬送を1時間遅らせて、その間にPCR検査しておきましょうか?」と、提案しました。お願いしますと言われたので、患者さん宅にもう一度お邪魔をし、鼻咽頭ぬぐい液を採取して医院に戻り、PCR検査を施行。1時間後に陰性を再確認、その後救急車を依頼し、病院まで搬送していただきました。

その後、患者さんは容体安定化しているとの話を担当看護師から聞かせてもらいました。(コロナの関係で病棟には上がれず、看護師が救急玄関まで降りてきて病状説明してくれました。日常業務の邪魔になってしまいました。)

奈良県中部で、直近土曜日の夕方に、呼吸不全の男性がなかなか入院出来なかったというお話でした。大阪や兵庫、そして東京などは、もっとひどいかもしれないです。東京で40の医療機関に断られたとか、救急車が6時間動けずにいたという話も聞きましたから。
皆さま、体調が悪いなと思ったら、早めに受診してください。交通事故にも気を付けてくださいね。