命のカウントダウン(健康余命3605日)

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院内処方と院外処方

2021-02-21 10:19:27 | 治療薬
抗アレルギー薬アレグラ を医療機関で処方してもらった場合のコストを検討するのですが・・・・院内処方と院外処方では支払額が違う事に気が付きました。今では院外処方が多数派です。

我が坂根医院(奈良県中部の田原本町にあります)は、基本的に院内処方です。ですが、希望されれば、躊躇なく院外処方に切り替えます。ですが、外来患者さんの99%程度の方が、院内処方を希望されます。院外処方を希望されるのは、処方箋薬局の関係者等特別な理由のある方に限られています。(在宅患者さんは、逆にほとんどの方が院外処方とさせていただいています。24時間麻薬処方にもにも面倒な点滴の無菌調剤にも応じてくれる薬局があって、その上配達もしてくれるので、とても便利に使わせていただいています。)

何故、外来患者の殆どの方が院内処方を希望されるのか?それは、院内処方の方が面倒が少なくて安いからだと思います。私は決して院内処方への誘導などしておりません。ですが、99%以上の患者さんが、院内処方を望まれます。

院内処方では、診察を受けた医療機関で、直接薬を受け取ることができます。
一方院外処方では、診察を受けた医療機関で処方箋を発行してもらい、院外の調剤薬局で薬を受け取ります。
最近では医薬分業が進み、多くの医療機関で院外処方を採用していますが・・

■院内処方のメリット
  • ・調剤薬局への手数料等がないため、自己負担額が少なくてすみます。
  • ・薬局に行く手間や時間が節約でき、会計が一度ですみます。
  • ・その場で薬を受け取って、点検することが出来ます。
  • ・当院の場合、担当医師(私です)が直接患者さんに薬剤の説明をするので、より的確に服薬の必要性などを説明できます。

■院外処方のメリット
  • ・複数の医療機関から処方のある場合に1件の「かかりつけ薬局」で調剤を受ける際は、重複処方の回避や飲み合わせのチェックができます。(医療機関の近くにある門前薬局で薬を受け取る場合は、このメリットは殆どありません。)
  • ・残薬整理がしやすい?(院内処方でもしてますよ!)
  • ・院外薬局は院内薬局よりも豊富な種類の薬を取り扱っているため、ほぼ同等の効果でより安価な薬
    (ジェネリック医薬品)に変更してもらうことが比較的簡単(院内処方でも、信頼できるジェネリックにする努力はしております)

院外処方のデメリット
  • ・医療機関から薬局へ行く手間、待ち時間の重複、費用は確実にかさみます。
1処方の平均的な技術料が、院内処方で940円に対して院外処方では2900円と約3倍の格差があると言われています。


院内処方の方が患者さんにとってのメリットが大きいと思われるのに、多くの医療機関が、院外薬局制度を利用しているのは、何故?? それは医療機関にとって、院外処方の方が経済的なメリットが大きいからです。

 我が医院の様に院内処方を続けていると、薬の在庫が膨れ上がります。当院の場合は600万円以上です。薬価差と言う利益がわずかにありますが、使用期限が来れば廃棄しなければなりません。利率がゼロかマイナスの貯金を600万円している様なものです。利率がゼロ、マイナスであっても、貯蓄額が増えると、税務署は利益が出たとみなして税金を掛けます。
 院内処方を続けていると その上、レセプト一枚当たりの単価が高いと言って厚生局のブラックリストに掲載され、個別指導と言うイジメの対象になったりもします。

 それでも私は院内処方を選択しております。それは、患者さんにとって、院内処方の方が圧倒的に便利だと思っているからです。(患者さんに選んでいただくというメリットも勿論考慮しています)そして、患者さんが、院内処方、院外処方を自由に選択できるのは、基本的に院内処方を継続している医療機関だけです。私は、今後も院内処方を継続するつもりです。


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