命のカウントダウン(健康余命3605日)

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入院先がなかなか決まらなかったお話

2022-03-07 07:08:29 | 在宅医療
先日、慢性呼吸不全の患者さんで在宅で治療していた高齢男性の状態が悪くなりました。患者さんご本人は病院嫌いで「絶対に入院したくない」と、これまでおっしゃっていたのですが、その日は呼吸不全の悪化、心不全の悪化などから意識レベルも低下していました。在宅での持続点滴が一か月前から続いてきたこともあり、ご家族の疲労も限界に達しており、総合的に考えて「入院加療しかないですね」という結論に達しました。(ご本人はこの決定に参加しておられません。傾眠状態でしたから)
それで、土曜の夕方6時ころより入院先を探しました。話にリアリティを持たせるために、病院は実名をあげます。でも、入院を断られたことを非難しているわけでは決してないです。病院には各病院の事情があります。それは理解しているつもりです。入院が困難な現在の状況を皆さんにお伝えしたいと思います。

先ず、その日の当番病院であった国保中央病院に電話をしました。当直医師「これから、コロナの陽性患者が入院します。病棟をやりくりしても、チョット難しいです。他を当たってみてください。どうしてもダメだったらまた声をかけてください。」との事でした。それで、どこで受けてもらえそうですか?と、聞いたところ「奈良県立医大病院はどうでしょうか。」と言われました。
それで、奈良医大の呼吸器内科に繋いでいただいたのですが、なんだかんだやり取りがあった後、「カルテが無い方の新規入院は無理です。」との事でした。その後、済生会中和病院、天理よろづ病院、平成記念病院、平尾病院、土庫病院、高井病院(順不同)とことごとく断られました。病院に電話を掛けるたびに患者さんの状態を説明し、窮状を訴える。そして断られるというのは相当な精神的ダメージです。普段からこんなことを繰り返されている救急隊員の方々、本当にご苦労様です。今回は、救急隊を呼ぶ前に入院先を決めようと思っていました。これで国保にもう一度断られたら、救急隊に探してもらうしかないかなと思っていました。

勿論、新型コロナは抗原検査でを確かめていたのですが、役に立ちませんでした。済生会中和病院は、以前院内クラスター感染で痛い目にあったので、入院時にPCR検査を日を変えて2回施行するとの事でした。そうでもしないと入院患者を守れないのですね。病院も大変です。
それで、振出しに戻って国保中央病院に、全て断られた話をし、患者さんの状態をもう一度伝えたところ、「では少しお待たせすると思いますが、来てください」と、入院許可をもらいました。それで、そちらで待つのであれば、救急搬送を1時間遅らせて、その間にPCR検査しておきましょうか?」と、提案しました。お願いしますと言われたので、患者さん宅にもう一度お邪魔をし、鼻咽頭ぬぐい液を採取して医院に戻り、PCR検査を施行。1時間後に陰性を再確認、その後救急車を依頼し、病院まで搬送していただきました。

その後、患者さんは容体安定化しているとの話を担当看護師から聞かせてもらいました。(コロナの関係で病棟には上がれず、看護師が救急玄関まで降りてきて病状説明してくれました。日常業務の邪魔になってしまいました。)

奈良県中部で、直近土曜日の夕方に、呼吸不全の男性がなかなか入院出来なかったというお話でした。大阪や兵庫、そして東京などは、もっとひどいかもしれないです。東京で40の医療機関に断られたとか、救急車が6時間動けずにいたという話も聞きましたから。
皆さま、体調が悪いなと思ったら、早めに受診してください。交通事故にも気を付けてくださいね。


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2 コメント

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Unknown (marurobo36)
2022-03-07 11:08:51
コロナで、一番怖いのは、こういうところですよね。
各病院必死でやってもらっているのは、理解出来ますが、
本人 ご家族の方の事を思うと どうしても恨んでしまう
そんな感じじゃないでしょうか?? 非常に難しい問題です。
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Unknown (camper)
2022-03-07 23:52:17
そうなのですよ。おっしゃる通り
皆、頑張っているのです。
でも、キャパオーバーで何ともできない
誰も精いっぱい頑張っているのに受け入れられない
本当にどうしたら良いのか分からないで、毎日毎日オタオタオタオタし続けております。
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