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病診連携について:特に退院時カンファレンスについて

2022-10-28 01:12:17 | 在宅医療
病診連携と言うのは、診療所・クリニックと、病院が情報交換をまめにして、協力してやっていきましょうね患者さんの為に!という事です。

我が坂根医院では、在宅医療を行っております。
在宅医療とは、寝たきりなど、状態が悪くて移動の難しい患者を、自宅などお住まいされている場所に医者が出かけて行ってその場所で診療するというものです。在宅医療の対象者は、老衰の方、脳梗塞などで寝たきりの方、がん末期の患者さん、神経難病の方、小児がんの患者さんなど、様々な方がおられます。

病診連携の具体例を挙げますと・・・・ALSと言う難病はご存じでしょうか?
アイスバケツチャレンジで有名になった病気です。
この病気の方がA病院に入院されていたのですが、病状が安定し、退院されることになったとしましょう。病状の進行を遅らせる薬はありますが、残念ながら現在のところ治癒の見込みがない疾患です。全身の神経がやられて、その先の筋肉が動かなくなります。それで、病状が進行すると、自分で食べる事、自分で呼吸することが出来なくなってきます。食べられなくなることに対しては、胃に直接栄養剤を注入する穴をあける「胃瘻造設」をするか、鼻から胃や腸に栄養剤を送り込むチューブを入れるか。または、心臓の近くの太い血管に栄養剤点滴用のカテーテルを入れるか。そんな対処をします。
呼吸が難しくなったら、最初は口や鼻から酸素を送り込みますが、それでも呼吸筋が動かなくなってきたら、人工呼吸器で空気を送り込まなければいけないことになります。体が動かなくなってくると、床擦れもできやすくなりますから、それに対する対処も必要です。

電動ベッド、エアマット、栄養剤の注入装置、点滴装置、在宅酸素、人工呼吸器、色々な機材の手配と運用が必要になります。
退院に当たっては、それらの機材の手配、運用にかかわる多くの業者、訪問看護師、在宅医師、ヘルパーなどと、病院側の担当医師、担当看護師、リハビリ担当者、薬剤師、などが一堂に会して会議をします。それが退院時カンファレンスという病診連携の華のような会議です。

退院カンファレンス、病院の勤務医は超多忙です。・・・退院時カンファレンスなんて本当に意味あるの?と思っておられる医師が多くおられると感じています。それは重々承知しておりますが、それでも意味があると感じています。
哲学書を読んでいくら納得しても、実際の人生を生きていないと分からないことは多いですよね。だから、リアル人生、生きる意味ありますよね。それと同じように、FAXなどでの情報のやり取りだけでは分からない事があるのです。直接会ってはじめてわかる事は多々あります。医師同士もそうですが、患者さん、患者さんご家族にとっても、退院時カンファレンスは、今後の覚悟を固めるとてもいい機会になるのです。



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