腫瘍マーカー

癌などの病気になると、通常では出来ない特殊な物質が増えることがあります。その特殊な物質が増えているかどうかで癌が出来ているか、癌の進行具合がどうなのか知ることが出来たりします。その特殊物質を腫瘍マーカーと言います。代表的なものにCEA、CA19-9、AFP、PSAなどがあります。

血液検査をするだけで、分かるので、検査自体は簡単です。

「心配だから、出来るやつは全部やって！！」などと言われる金満の社長さん、時折おられます。

ですが・・・・腫瘍マーカーっていっぱいあるのです。
当院が契約している外注検査会社のファルコバイオシステムズ社の総合検査案内に載っているだけで41種類ありました。上の図にもいっぱい書いてありますよね。

保険診療ではめったやたらに検査は出来ません。自費でやるとしたら、相当高価になると思われます。それに、血液沢山必要ですしね。無駄でしかないです。

当院では、年に一回程度、男性ならCEA、CA19-9、PSA、女性ならCEA、CA19-9、CA15-3あたりの検査をすることが多いです。（希望があればです）

一番有名な腫瘍マーカーCEA。CEAは胎児の消化器組織にあるたんぱく質の一種で、成人でも胃がん、大腸がん、すい臓がんなどの消化器系のがんの時に上昇することが多いです。しかし、CEA値が高いからがんであるとは言えませんし、低いからがんがないとも言えません。

正常値は大体5ng/ml以下（検査会社により多少正常値にずれが出ます）10以上だと、怪しいなぁと疑います。でも喫煙者だと、何もなくても10前後に上昇することは良くあります。異常値だと、まずは上下消化管の検査、腹部超音波検査等をします。それでがんが見つかることも時折あります。10以上だと怪しいかなと思いますし10以下だと、数値が上昇していくのかどうか経過を見ることも多いです。

表題の写真の様に3桁の場合は、間違いなくでっかい癌が存在していて、妙な物質をバンバン出していると考えて間違いないです。この方も末期の膵臓癌でした。

CEA：491.5　CA19-9：297,000は、どちらもあまり見かけない値です。

HbA1c：9.9も高くはありますが、この程度では驚かないレベルです。

人間ドック検査などでオプションに設定されていることが多い腫瘍マーカー。喫煙者の方は引っかかる可能性大ですよ！腫瘍マーカーに一喜一憂するよりも、禁煙しましょうね！！

がんも生活習慣病も、新型コロナも、基本的な対処法は同じだと思っています。正しく避ける。出来るだけ近づけない様に努力を重ねる。でも、かかることはあります。

その時は腹を据えて対処しましょう。いつかは誰もが通る道、誰も例外なく死ぬのです。