命のカウントダウン(健康余命3605日)

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フーミン爺ちゃんに根負けしました

2019-10-30 23:40:24 | 在宅医療
愛すべきフーミン爺ちゃんに昨日は足浴をお勧めしたのですが・・・・
そんな面倒なことを夜遅くには出来ません!!
とご家族に言われてしまいました。
ご家族が、動くことで、ご本人、ご家族の成し遂げた感を作り上げようともしていたのですが・・・・まあ、数日で音を上げられるだろうとは思っていましたが、為す前に音を上げるととは思っていませんでした。一回ぐらい試行してみてほしかったです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/12/1/12_85/_pdf 
こんな報告もありますしね。
それで、何とか寝かせてあげて!と多方向から要請が入りましたので・・・・
夜間の排尿時等のふらつきの危険性を説明した上で、ルネスタ1㎎(就眠前)を処方しました。
寝られないことが大きな苦痛であることは十分承知しているのですが・・・・
睡眠薬の害も大きいのです。依存性も強いです。
デパス(エチゾラム)という薬などは、10年前は、気軽の処方していたのですが、今では新規には出来るだけ処方しないようにしています。


デパス(一般名:エチゾラム)は、1984年発売開始のベンゾジアゼピン系に分類される抗不安薬・睡眠薬です。
デパスは2016年10月まで向精神薬としての指定を受けておらず、処方制限がなかったために安易な処方が問題となりました。私自身、安易に使い過ぎていたと反省しております。

デパスは抗不安作用、睡眠作用、筋弛緩作用などの効果の実感が期待できるお薬があるがゆえに、漠然と使い続けるとお薬がやめられなくなってしまうことがあります。減薬すると離脱症状が生じてしまい、お薬を中止するのが難しくなってしまうことがあります。

筋弛緩作用が有るゆえに、肩こりなどの症状は改善するのですが、夜に何度か排尿するような方の場合、足の筋肉の力が抜けて、へなへなと倒れこまれることも多いのです。そして骨折して寝たきりになることも・・・

デパスに比べると、ルネスタの筋弛緩作用は少ないと言われています。でも92歳の癌末期なのですよ。今のところ、ADLはほぼ自立ではあるけれど・・・
フーミン爺ちゃんは入眠障害を訴えていますので、作用時間の短いルネスタとの相性は良さそうとも考えました。

睡眠薬は、その作用メカニズムの違いから2つに分けることができます。
脳の機能を低下させる睡眠薬
自然な眠気を強くする睡眠薬
これまで使ってきて、フーミン爺ちゃんが全く効かない!!と断言しているロゼレム、ベルソムラは自然な眠気を強くさせる睡眠薬に属します。
ルネスタは、脳の機能を低下させる睡眠薬になります。それを使いたくはなかったのですが・・・その系統を使うしか手はなさそうなので、その中で最も副作用の少なそうなルネスタ1㎎を選びました。
どうなったかは後日報告させていただきます。
尚、患者さんの性別、年齢、病名等、架空ではありませんが推定が困難なように変えておりますので、実際の臨床例とはお考えにならないでくださいね。


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