食すくなければ、脾胃の中に空処ありて、元気めぐりやすく、食消化しやすくして、飲食する物、皆身の養となる。
是を以病すくなくして身つよくなる。
もし食多くして腹中にみつれば、元気のめぐるべき道をふさぎ、すき間なくして食消せず。
是を以のみくふ物、身の養とならず、滞りて元気の道をふさぎ、めぐらずして病となる。
甚しければもだえて死す。
是食過て腹にみち、気ふさがりて、めぐらざる故也。
食後に病おこり、或頓死するは此故也。
凡大酒・大食する人は、必短命なり。
早くやむべし。
かへすがへす老人は腸胃よはき故に、飲食にやぶられやすし。
多く飲食すべからず。
おそるべし。
・腹八分の重要性(満腹は消化や循環を邪魔する)
をこれでもか!っていうほど仰っています。
・大酒飲みや大食漢も必ず短命になるから早く止めなさい
・繰り返ししつこいようだけど、年をとったらたくさん飲み食いしちゃダメ
・あ〜コワイ
うえて食し、かはきて飲むに、飢渇にまかせて、一時に多く飲食すれば、飽満して脾胃をやぶり、元気をそこなふ。
飢渇の時慎むべし。
又飲食いまだ消化せざるに、又いやかさねに早く飲食すれば、滞りて害となる。
よく消化して後、飲食を好む時のみ食ふべし。
如此すれば、飲食皆養となる。
・ドカ食いはダメだぞ、元気をなくす
・空腹時は気をつけなさい
・また胃のなかが空っぽになっていないのに、更に飲み食いすると、消化吸収や循環が滞って良くない
・空腹になって、飲み食いしたいな〜、と食欲がわいたときだけ食べなさい
・そうすれば、口にしたもの全て栄養となる
満腹にしてしまうことが多いので気をつけないといけないなぁ〜
益軒さんは
・「食べ過ぎるな」
・「少ないくらいで丁度いい」
と、繰り返ししつこいくらいに仰っています。
私もこれは
・わかっちゃいるけど、止められない
です。
だから益軒さんは、
・しつこいくらいに繰り返し繰り返し言わないと
・大抵の人は油断してすぐにまた食べ過ぎちゃう
だろうから、と「かへすがへす」述べているんでしょうね。
約300年前に書かれた「養生訓」が今でも健康の指南書としてアスリートやお医者さんにも読まれているのは、
・わかりやすく結構当たり前のような正論だけど油断してしまうことを
・やっぱりそこは気をつけないといけないんだよね、と再確認させてくれる
・基本を守らなきゃ、と思わせてくれる
側面があると思いました。
平均寿命が50歳にも満たない時代に83歳の益軒さんが自分で実践して見せた健康法。
基本は大切だなぁ、と思います。
最後まで読んで頂いて有難うございます
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