まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.1341 万葉歌碑巡り・・・吹田市、豊中市編

2020-06-05 20:23:45 | 万葉
よろしくお願いします。














今回は久しぶりの万葉歌碑巡り、正月に大阪を走った時の記録をお伝えしていこうと思います。まあ、年の初めのことなので、この時は万葉歌碑巡りも精力的に行こうと思ってたわけですが、例の感染症渦で県外に行けなくなってしまったことで計画していた巡りは中止、しかも今度は自分(一人称)が不甲斐ないことになってしまい、このテーマもなかなか前に進めず仕舞いでした。そうは言ってもいつまでも止めておくわけにはいかないので、気を取り直して行ってみることとしましょう。
吹田市へと入ってまずは阪急吹田駅前にある歌碑、と言っても大阪ではよく見る駅前などにある地元の説明が書かれているモニュメントです↓↓↓

「石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも」(志貴皇子・巻8-1418)

更に千里ニュータウンを入って行った所にある垂水神社、下4枚の写真にあるのがその神社にある歌碑だが、下2枚にあるその由緒が書かれた碑には上記の歌と↓↓↓

「命をし 幸くよけむと 石走る 垂水の水を むすびて飲みつ」(作者不詳・巻7-1142)

合わせて2つの歌が記されている。この2つの歌が詠まれたのが摂津国であることからここに紹介されているのだろうが、その両方の歌に共通するのが「石走る垂水」の文字、形からして石走るが垂水に掛かっている言葉だと分かる。「垂水」とは水が垂れるで滝を表している、その水が落ちる様子を「石走る」と表現しているのだろう。この時訪れた垂水神社はまだ正月期間で、たくさんの人が初詣にやって来ていた、多分ほとんどが地元か近辺の人たちだろう。無論自分(一人称)は参拝には興味はなく、神社の境内をあちらこちらと見回っていただけ、高低差のある境内には垂水の如く小さな滝がある、水の神様を信仰していることもあって古くからその恩恵を受けてきた所だったのだろう。




























千里ニュータウンはまるで迷路のような所、一旦入るとアップダウンの繰り返しの道をあちらこちらと行かされて迷いこんでしまった。やっとこさの体で阪急千里線の南千里駅前へとたどり着く、ここから北へ少し進んだ所にあるのが千里南公園。園内に入ると遊歩道があり、その両側には万葉集に限らず、たくさんの歌碑が立ち並んでいる。

「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」(額田王・巻1-20)

「防人に 行くは誰が背と 問ふ人を 見るが羨しさ 物思ひもせず」(作者不詳・巻20-4425)

「君がため 山田の沢に ゑぐ摘むと 雪消の水に 裳の裾濡れぬ」(作者不詳・巻10-1839)

一番上の歌は以前に東近江を走った時に紹介したことがありました、なぜか東出昌大を思い出してしまいますね~。ちょうどあの騒動の時でしたから、でも自分(一人称)は今でも彼の再起を楽しみにしていますよ、今度久々のドラマもあるみたいだし・・・ってありゃりゃ、話が逸れてしまった、僕の悪い癖。真ん中の歌は夫が防人・・・九州の警護の役・・・へと出向くことになった時に妻が詠んだ歌とのこと、「行くのは誰の夫?」と聞いている空気の読めない近所のご婦人の他人事な有様を憂いている、という心情がうかがえる。一番下の歌はそんな真ん中のとは対称的、沢に入って恋人のために芹を摘んでいたら、裾がぬれちゃったわ~と言った内容。ここで気になるのが「山田の沢」、特にどこと場所は指定されずただ単に山から流れてくる沢と言うことだが、この地で山田と言うと阪急千里線にある山田駅を思い浮かべてしまう、案外こじつけでこの歌の歌碑だけは立派で目立つものにしていたりして・・・。






歌碑巡り、最後に訪れたのは豊中不動尊、小高いニュータウンの一角にあって道もアップダウンが激しく、しかも場所は分かりにくく探し当てるのに一苦労だった。ここもたくさんの初詣の人たち、やはり地元の人が多いみたい。その境内で見つけた歌碑↓↓↓

「玉かつま 島熊山の 夕暮れに ひとりか君が 山道越ゆらむ」(作者不詳・巻12-3193)

何か状況が分かるような分からないような、見た感じではそのままの意味にとれるのだが、万葉集とは恋愛を歌ったものが主です、この歌の奥にも好きな人への想いが込められているのでしょうか。そんなわけで久しぶりの万葉歌碑巡り、大阪は今のところ中途半端に止まってしまっている状態です。早く再開させてここでもまたお伝えしていきたいところです、今回もご覧いただきましてどうもありがとうございました。            まちみち