湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

映画『西の魔女が死んだ』より

2020-02-21 21:20:00 | コラム
主人公 まいちゃん(中学生)

ママとパパがいて
ごく普通の日常があった。

ママはイギリス人の母と日本人の父を持つ。
だから、まいちゃんはクォーターと言うことになる。
ママは、自分のママを
『西の魔女』と呼んでいた。


物語は
その西の魔女(おばあちゃん)が死んだと連絡を受けて、慌てて向かう道すがら、
ママが運転する車の後部座席に
まいちゃんが乗っている回想シーンから始まっていく。

雨が降りしきる
運転しながらママは涙を流してる。

どんな思いでいたのだろう。
ママとて、ハーフの子として
色んなことを我慢したり
思い通りに生きれなかったことを
母親のせいにして
今更ながら
悔やんでも悔やみきれない思いが溢れてきているようだ。

鉱石好きのおじいちゃんと2人で住んでいたであろう家には
今は、おばあちゃん一人きりだったのだ。


まいちゃんは、思い出していた。
おばあちゃんと過ごした、ひと夏の日々のこと、、、、。



中学になって
突然、学校にいけなくなってしまった まいちゃんを
ママが自分の母親に託したことから
おばあちゃんと、まいちゃんの生活が始まっていく。

庭先からつづく
森があり、小川があり
木漏れ日の中で気持ちが安らいでいく。


ハーブティ
イチゴジャム
クッキー

凛とした、
おばあちゃんが作り出すものの
美味しさ、優しさ、
キチンとした佇まいから
まいちゃんは、
おばあちゃん(魔女)の修行をしょうと思い立つ。


おばあちゃんは言う
『早寝早起きをして生活を整えること、沢山運動して、沢山食べること。そして、自分自身のことは自分で決めること、それが魔女の修行だよ』

『あまり前のことじゃん』

『そうですよ、当たり前のことだけど、1番難しいことなんですよ』


そうして生活するうちに
まいちゃんは、早寝早起きや
お手伝いができるようになっていく。


ある日、鶏小屋で鶏が死んだことから
まいちゃんは、おばあちゃんに聞いた。

『死んだらどうなるの?』

おばあちゃんが答えた
『魂と言うものがあるのよ。
私が死んだら、まいにそれを見せてあげましょう』


しばらくして
近隣の住人の口汚い言葉から
まいちゃんは、
鶏小屋の鶏を殺したのはその人だと言い張ることになってしまう。


そのとき、
おばあちゃんは、まいちゃんの頬を
平手で打ってしまった。


気まずい空気の中
パパとママが迎えに来た。

まいちゃんは、アッサリと
その車に乗り
振り向きもしないで
違う町へ
おばあちゃんところからは
遠い町へ引っ越していってしまった。


言うに言えない思い。

おばあちゃんは、まいちゃんがとても愛しかった。
いつまでも一緒に居たかったのだろう。
見送る車をいつまでも
立ち尽くしたままの姿に
互いの誤解を解けないまま
寂しさと切なさが映っている。


それが
ママとまいちゃんとの
おばあちゃんの最後になってしまった。

それから2年後に
おばあちゃんの家に
こうして、向かうことになってしまった。

おばあちゃんの家に着いた。


呆然としてしまう。

胸につかえていること。
自分への分からぬ罪悪感。
色んなものが入り混じる。


心なしか
おばあちゃんの亡骸をみるのは
忍びない様子のまいちゃん


ママがあっちに行ってなさいと言う。
そして聞こえる、ママの号泣、嗚咽。
魔女は死なないはずでしょうと言わんばかりに。


まいちゃんはママの言葉通りに
部屋から離れていった。


懐かしい台所

あの日、あのとき
おばあちゃんがここ居たんだと言う思い。


玄関先に
ふと目をやると
曇ったガラスに
指先で書いた文字。
おばあちゃんが残した言葉。
いつかの約束の答えだった。


おばあちゃんは、
まいちゃんと話したことを
覚えていてくれたことがはっきりとわかった。


自分がいかに愛されていたか。

おばあちゃんは
確かにそこに居た。

そして
やっぱり魔女だった。

優しかったおばあちゃん。
あたたかい涙がまいちゃんの頬に流れた。


見終わったとき
自分も優しい気持ちになっていくのがわかった。

おばあちゃんが残した言葉のカラクリを考えれば考えるほど
涙がこぼれてしまう。

そして
『悲しまないでいいのよ
私の魂は、あなたのそばにいるのよ』
って言わんばかり、、、。


かつて
私は、自分の子供に、
魔法だと言って
車に乗って運転席から
目の前の信号機を
赤から青に
カウントダウンと共に
指先で変えて見せた。


子供に不思議なチカラがあると思わせたかった。

そんな思いがリンクする。

親や、おばあちゃんと言うものは
その知恵や教えにおいて
不思議なチカラがあると思われたい。

昔話を上手に語りたい。

寝物語として
大冒険をワクワク話したい。

小さな花を大切にする気持ちを教えたい。

ハーブティの効能を
魔法の薬だと飲ませたい。

私も、西の魔女になりたくなった。







手嶌葵 『虹』

(この映画の主題歌だけれど、動画は違うアニメのものと思われる)





















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