不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

義母の怒りの裏にある目的

2018-08-14 08:34:22 | 日記
義母の怒りはまだ収まりません。

「この前テレビで見たんだけどさ、6人孫のいるおばあちゃんが出てきて、
曜日を決めて孫たちがかわるがわる電話してくれるんだって。
だからちっとも寂しくありませんってニコニコしてた。そういう人もいるのにさ……」

また別の話を始めます。

(そりゃ、そういう人が珍しいからテレビに出てんじゃないの?孫にもっと電話させろってこと?)

私はイライラしてきました。怒ってると見せかけて、自分の要求をのませようとしてるんじゃ?

この時はアドラーは読んでいませんでしたが、まさに義母は「目的を達成するために怒ってみせている」みたいでした。
いろいろしてほしいことがあるけど、言い出しにくいから、
怒鳴って委縮させておいて、どさくさ紛れに要求を通そうという……。

最初は猫トイレのことで怒り始めたのに、「帰ってきた時はこういうふうに挨拶しろ」とか、
「おばあちゃんと呼べ」とか「孫に電話させろ」とか、あとからあとから要求が出てきたのがその証拠です。

ではなぜ正面切って要求しないのか。それも私には心当たりがありました。

実は義母は詐欺に遭って、老後の資金をそっくりだまし取られてしまったのです。
オレオレ詐欺なんてかわいいものではありません。生涯働いてためた2千300万円を、
酒場で知り合った「友達」に、「何倍にもしてあげる」と言われて預けてしまい、それきり返ってこないのだそうです。

貸して10年以上もの間、何度も「返す」と言ったのに、
約束した日にはきっと何らかのトラブルが起きて、返してもらえなかったとのこと。

いわく、親戚のせいで口座を差し押さえられた。
印鑑を盗まれた。
交通事故に遭った。

そのたびに繰り出される言い訳は一見筋が通っていて、「無理もない」と思わせられるようなものでした。
でも、それが10年って……。

「それ、詐欺ですよ」
と私は言いました。

「詐欺じゃないよ、あの人も気の毒な人なのよ。絶対に返すって、約束してくれたんだから」
そりゃ、口ではそう言うだろうけど。

「これ、その人が田舎から送ってもらったお米だって。ね、義理堅い人でしょう?半分持っていきなさいよ」
「えっ、いいですよ。毒でも仕込んであるんじゃないですか」

疑い深い私は怖気づきましたが、豪胆な義母は
「だーいじょうぶ、私も食べてみたから」
と平気です。

あとでじわじわ効いてくる毒かも。と思いましたが、断り切れずにお米も半分もらいました。