不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

片付けられない統合失調症の母

2019-03-12 10:27:21 | 日記
私は久しぶりに実家を訪れました。

 この家は、昼でも雨戸を閉めっぱなしで、真っ暗です。
古い家らしく雨戸が南側で10枚くらいつながっているので、開け閉めが面倒なのでしょう。

いつも、冷んやりと湿気が立ち込めているようなこの家にこもっていれば、
まともな人間だっておかしくなりそうです。

「お姉ちゃん、パニック障害なんだって?」
「パニック、何?」
母はきょとんとしています。

「電車で倒れて病院に運ばれたんだって?」
「病院に行ったとは、言ってたけどねえ」

どうやら母には詳しく話していない様子です。
うっかり母に話して、また頭にどんぶりでもくくりつけられては大変だとでも思ったのでしょうか。

 私が今座っているのは昔祖母が下宿生を置いていた二間続きの部屋で、
手前の部屋には小さな流し台とコンロがあり、奥の部屋にはロッカーダンスと一年中出しっぱなしのコタツがあります。

ここだけは雨戸が半分開けっぱなしになっていて、ジャングルのような庭が見えます。

流し台の前の床は水をこぼすせいで腐っているのか、がこんとへこんでいます。
床のそこかしこに衣類が脱ぎ散らかしてあります。
無造作に部屋の真ん中に置かれた大きな半透明のゴミ袋にはカップ麺だのレトルトカレーだのの容器が詰め込まれ、
流しには洗い物が溜まり、一口だけのコンロの上にもフライパン、皿、箸などがごっちゃりと積まれています。

換気扇はなく、木枠の窓が細く空けてあるものの、部屋全体が油でねとついているようでした。

コタツの上には、コップ、薬ビン、メモ帳、スーパーの袋などが雑然と乗っていて、
何年も替えていないこたつカバーは、食べこぼしでしみだらけです。

母は、布団を敷かずコタツに横になって寝るので、母の座るほうのスペースは広く取ってあって、
枕代わりに畳んで置いてある座布団が母の頭の形にへこんでいました。

今思うと、こういうだらしのない生活ぶりは不登校の息子に似ています。
身の回りに気を使うこともできないほど精神的に追い詰められているのでしょうか。

実を言うと私も『片付けられない女』です。
主婦業を長年続けているうちに居間だけはある程度片付けるようになりましたが、
自分の部屋は散らかしっぱなしで、子供たちがふざけて『地獄』と呼んでいるほどです。

私は統合失調症ではありませんが、一般的な水準と比べると無気力なほうなのだと思います。
生まれつきか、育ち方のせいなのか、それは自分でもわかりません。