不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

不登校は面白いうわさ話の種

2018-07-04 10:20:13 | 日記
せめて高校で不登校になってくれたら、こんなに好奇の目にさらされることはなかったのに。

息子の通う中学校は近在で一番規模が大きくて、学年に4クラスあります。
特にうちの近所は子供が多くて、小学校の時は通学班の人数が多すぎて2班に分けていたほどです。

市内にはあと2つ中学校があり、ほぼ持ち上がりなので私はほとんど接点がないのですが、
アキコさんを始めとする社交家たちの活躍により、息子が不登校になったという噂は瞬く間に市内に広まったようです。

スーパーで声を掛けられ、道を歩いていても呼び止められ、ある時などは自分の家の車庫に車を止めようとしている時に、
近所のママ友がやはり車で通りかかって呼び止められました。

スルスルとウィンドウを下ろした彼女は、好奇心ではち切れそうな顔で、
「こんにちはあ。子供たち、元気?」
と大声で叫びました。

あっちも、こっちも、動いてる車の中なんですよ?

私はバックで車庫入れ中だし、あっちは私に話しかけるために道の真ん中で車を止めちゃったので、
事故る心配まではなかったけど。

どんだけ、興味津々なの?

私は唖然として、苦笑して会釈だけしました。
私は声が小さいので、相手に聞こえないかもしれないし、車の窓を下ろしてまで会話を続けたくもなかったので。

ママ友は私の顔を見て、(しまった、やりすぎたかな?)というような顔をして、会釈して走り去っていきました。

どうも「B君元気?」ではなく「子供たち元気?」と聞いてくるのが、「野次馬根性ではなくただの挨拶」と
アピールするポイントのようで、この言い方にはこの後もしょっちゅうお目にかかりました。

それから、アキコさんが「B君が不登校になったって言っときました」と手柄顔で報告してくれたイソベさんは。

私の手料理を受け付けなくなった息子のリクエストで、ある日私はマックへ買い物に行きました。

ポテトのLを頼みかけて、私に敵意を向けてくる息子がシェアするのを嫌がるだろうと思い直し、
割高だけどSを2つにしようかなどと考えていた時です。

フロアを掃除していた店員さんが小走りにやってきて、私の注文を聞いていた店員に
「私、代わるよー」
と言い、押しのけるようにして接客を代わりました。

私は特に気にせず、
「やっぱりLやめてポテトのS2つ……」
と頼みかけると、
「ハーイ、子供たちは元気?」
と店員が言うのです。

ぎょっとして見直すと、その店員はイソベさんでした。

仕事中なのに。
あなた、今、別の仕事してたでしょうが。
フロアの掃除してたでしょうが。

好奇心でキラキラ目を輝かせた邪気のない笑顔に、私は恐怖すら覚えました。


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