不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

ただ、会話のための会話

2020-07-08 17:04:14 | 日記
今の倉庫でバイトを始めてから早くも3カ月が過ぎました。

見学に来た時に、30歳前後の女性ばかり3人が大きなテーブルを囲んで、
野菜をパック詰めしている光景を見て気付くべきだったのです。

この人たちは私と世代も違うし、そもそも私みたいな人間は、みんなでする作業には向かないと……。

最もカルチャーショックだったのは、一緒に働いているメンバーが仕事中に大声でおしゃべりすることです。
話題は職場の人のうわさ話とそれぞれの家族の話。

それでもはじめのうちは何とかとけ込めている感じでした。
最初は職場の人のこともみんなの家族のことも知りません。
相槌を打ってたまにタイミングを合わせて笑っていればよかったのです。

慣れてくるにしたがって、私にも話が振られるようになってきました。
小学校に通う子供をもつママたちに、ヒキコモリの19歳の息子の話などするのは重すぎます。
コロナ禍でみんなは旦那さんの仕事が休みになったりしているので、公務員の夫の話もはばかられます。
ただでさえ私が入った頃からコロナのせいで仕事が減ってきたので、一人だけ派遣社員のママなどは、
私の代わりに自分がクビになるんじゃないかと怯えているのです。余計な反感は買いたくありません。

みんなは私を
(疎外感を感じないように、なんとか話に入れてあげないと……)
と、気を使ってくれているようなのです。

確かに。
みんな黙って仕事しているならいいけど、私だけ話に加われないとなれば今よりもっと居心地が悪いはずです。
私はもちろん、みんなも。

(いや、黙ってやろうよ。仕事中なんだからさ……)
とあきれながらも、
(きっと、いい人たちなんだ。しゃべりたくない私のほうが変人なんだ……)
とも思います。

私は集団の中ではよくこうした疎外感にかられます。どうせ
(Nさんが来る前は気兼ねなくおしゃべりできて楽しかったなー)
とか思ってるんだろうな、とひがんでみたり。

私はうまくしゃべれません。
まず、声が小さい。
相槌のタイミングが微妙にずれたりして相手が「えっ?」という顔になることもあります。
話したいことを思いついたので頭の中でどう話すか整理しているうちに、話題が違うほうに行ってしまって
(今さら持ち出す話でもないか……)
と思って諦めてしまったり、あきらめきれずに話してまた「えっ、今さら?」という顔をされたり。

彼らは心から会話を楽しんでいるのでしょうが、私にとってはただ、会話のための会話。
仕事自体は楽しいのですが、会話することがストレスになってきました。
たいして興味のないみんなの家族のことも、ちゃんと覚えておかないと
(この前も話したのに……)
と思われてしまいそうです。

でも考え方を変えました。

これは脳トレだ、と割り切ることにしたのです。

誰ともしゃべらずにいると老人はボケやすいと聞きます。
私はまだ老人というには早いかもしれませんが、家族以外の人と話さないことにかけては
そんじょそこらの老人に引けを取らない自信があります。

何の自慢だ?

とにかく私は、この倉庫で若い人とおしゃべりすることで脳トレをするのだ。
そのためにあえて苦手な場所で働いているのだ。
お金を払って脳トレする人も多いんだから、私はすごく得をしているのだ。そう思うことにしたのです。

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