まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

珈琲文明ライヴ

2012-11-24 11:44:39 | カフェ
シックなしつらえのカウンター
目の前に並ぶサイフォンの丸いシルエット
レトロなガス灯 重厚なチェロの調べ
青空と星空を交互に映す天井

の、均衡を破るかのように響く
熱いアコースティックギターと歌

それが、毎月第4金曜日の
珈琲文明ライブである

今回のテーマは
「セルフプロデュース能力に長けた歌手ベスト7」

なぜ10でなく7か、は、尺のモンダイ?笑

栄えある受賞者と楽曲は

奥田民生 イージュー☆ライダー

沢田研二 サムライ

YUI  東京

椎名林檎 歌舞伎町の女王

斉藤和義 歌うたいのバラッド

スガシカオ/SMAP 夜空ノムコウ


まったく想定外だったのだけど
沢田研二で全身鳥肌がたち
YUIで泣けた 笑


ジュリー全盛期、こどもだったわたしは
奴が嫌いだった
たぶん、エキセントリックなところが
受け付けられなかったんだとおもう
歌も、歌詞のイミわかんないしきもちわるい、くらいに
思っていた

マスターのMCによると
あの時代突出してたのは
ヤザワとジュリーだけれど
ヤザワは自分で曲も作っていたわけで
そういうイミじゃ完璧すぎるのだそう
ヒトに歌を作らせてじぶんは歌うだけで
あんだけのことをしたのだから
ここはジュリーが勝ち、と 笑

ざざっ とギターが鳴り、たった半拍で
「片手に ピストル・・・」
と歌いだしたマスター
とたんにぞくぞくっと来た

あらためて聞いてると、歌の内容は
眠っているおんなに勝手に別れを告げて
出て行く男の話で
なんで出て行くかっていうと
「男にはそうしなきゃならない時がくる」から 笑

こんな歌を真剣に歌って、聞いているひとのココロを掴むのは
並大抵のことじゃない・・・


YUIの歌は、夢を追ってイナカから都会へ出てくる心境を
素朴でまっすぐなコトバで歌っていて

「なにかをひとつ捨てて 
 なにかを手に入れる
 その繰り返し・・・」

という歌詞が
必死な覚悟をもって健気に響いた

帰宅し、(いつものように)
Youtube検索するだんなさま

モニターに映る華奢な女の子が
やっぱりギターを抱えて歌っている

今度は涙はでなかった
覚悟、健気さは伝わるのだけど
むしろ希望に溢れていて、羨ましくさえ思った

おなじコトバ、おなじメロディなのに
ふたりの歌の印象がこんなに違うのは
たぶん、スタートした「その日」から
経た年月、得た経験の量が違うからなんだろう

あるいは、聞いているわたしが
マスターと同い年で、より共鳴したのかも

マスターは、これらの歌い手の
人気が出ても守りに入らず、むしろ
ファンを置き去りにして常に変化する
というところを尊敬しているのだと

ふだん美味しい珈琲を淹れてくれて
おしゃべりにつきあってくれるマスターは
いつも穏やかでジェントルで
「変革」「破壊」というコトバとは無縁に思えるのだけど

実はそのなかに、ものすごいアグレッシブなものを抱えてる
その一端がかいまみえる、月にいちどのライヴである