チョコレートを使ってお菓子を作るのはそれほど好きではないけど
この季節に店頭でこれを見かけたら、買わずにはいられません。
ウィンターチョコレートは、スイスの職人が手作りする、スパイスたっぷりのチョコレートです。乳化剤も使わないで練ること72時間。夢のようなとろけっぷり。
扱ってるのは第三世界ショップというところです。
貧困に就業で対応しようというもの。
食べる人が、材料を育てるひとや作るひとの作業行程に思いを馳せることができるように、販売しています。
数年前わが師匠がインドネシアのフローレンス島へ、カカオのお菓子を作りに行ったことがあります。フローレンス島はカカオの産地。カカオの農家は貧しくて、育てることは育てるけど、いったいじぶんの作ったものからできるチョコレートがどんなもんなのか、知る機会がないんです。じぶんの工程のその先に起きてることを知ることで、自身の仕事へのプライドや、前向きな気持ちを持ってほしい。それによって、カカオの品質向上をはかりたい。そんなプロジェクトのサポートとして、現地で農家さんといっしょにカカオをつかった製菓をしたのです。
ウィンターチョコレートのパッケージの裏側には、カカオ豆からチョコレートになるまでの工程の図と、写真が掲載されています。こんなに手間隙かけて丁寧に作られてるから美味しいんだなぁ、大切にいただかなくては、と頭では考えてるのに、美味しいもんだから手と口と舌がとまりません。
一時期このチョコレートの美味しさを広めようとかたっぱしから配っていました。一度食べた人は次にこの美しい青の装丁を見ると、「あ。危険なやつ。」と言います。気づくと一枚完食しちゃうからね。今はだいぶ布教もすんだので、棚にあるだけ買い占めることはしなくなり、三枚まで、と決めています。冬は苦手な季節だったのに、これのおかげもあって、今や好きな季節。あと少しで終わっちゃうからちょっとさびしいです。また来年会えるのを楽しみにしてるよ。