伝説の?トラシャンパーティの打ち上げで
美奈さんに「今度は是非コルドンへ!」とお誘いいただき
行く行く!一人じゃ怖いけど連れてってくれるなら行く!と
予約したのが半年くらい前の事。
あっというまに今日を迎え
早めの電車にゆるっと座っていこうと思ったら
同じ車両に同じ考えのみなこさんが座ってた。
代官山は相変わらずオシャレな人しかいないな。
イルプルに行く時に通り過ぎるだけだった
コルドンの中へ初めて侵入。
空気がパリ。いや行った事ないけど。
受付でファイルとエプロン、布巾を受け取って
地下の控え室で支度をし
さらに下の階のロッカーにバッグを入れる。
地上3階、地下2階の立派な建物。
部屋についてるフランス語の名前がいちいち小洒落てる。
案内してくれた日本人の女の人が、向こうにいるフランス人シェフと
大音量のフランス語でこれ見よがしに会話してる。
すーーごーー。
卒業生の美奈さんがキッチンをちら見して
「今日の先生は・・・・・な人だよ」(・・・部分は自粛)と
こっそり情報をくれたりして、ちょっと和む。
ルセットにはパーツの名前と材料と分量のみ。
え、5つもあるの?3時間なのに?
仕込みはあるんですか、と美奈さんに聞いてみたら
うーんたぶんないと思う、もしかしたらグラサージュくらいは、と。
で、そこらへんで十分予測ついたんだよね、ほんとなら。
そのあとチームMF、衝撃に出会う。
ケーキの組み立ては、ビスキュイ、チョコパフ生地、クレーム、ムース、グラサージュ。
まずはビスキュイとチョコパフのデモを見て、実践。
作り方はルセットにないから、メモをひたすら取る。
写真も撮って良い。でもあんまり撮る暇なかったな。
先生の説明は明確でわかりやすく、
やっちまいそうな失敗についても先に言ってくれるから安心。
102グラムの卵白でメレンゲを作る。手立てで!
あんなでっかい泡立て器、持ったことない。
あとで美奈さんに聞いたら、上級クラスになるまでは
生クリームでもメレンゲでも、すべて手立てなんだって。
ハンドミキサーなんて存在しないんだって。
そして当たり前のように利き手じゃない方でも
泡立て器を扱える美奈さん、かっこいい。
ビスキュイの粉を紙の上にふるって
そのまんま台に放置、直接in。
台に粉が飛び散りまくってるのを布巾でざっと拭く。
さらに、「多めにできるんで全部絞り出し袋に入れなくていいです」
というビスキュイ、絞ってもまだ袋に3割程度残ってる。
それらは全部廃棄。なんか心臓が痛くなる光景。
さて実践。生徒は総勢14人、先生の他にアシスタントが2名。
アシスタントの人たちがくるくると動き回り、手元を片付けたり
メレンゲ必死に立てる私に「頑張って下さい!」と
グッと拳握ったりしてくれる。楽しい。
でも気づいたら周りの人はもう焼きに入ってるのに
私も博子さんも絞りの途中。
あとで気づいたんだけどビスキュイは本当に薄くてよかったのに
メレンゲに時間かけすぎちゃった。
普段のレッスンで、「置いていかれる」なんてことないから
ものすごく新鮮な驚きで
みんな早いんだなー、急がなきゃなー、と思った瞬間
隣の博子さんから「巻かなきゃ!!」というものすごい波動が。
それを感じ取った途端、笑いがこみ上げてきて止まんなくなった。
そしてその隣のみなこさんは、いつもの通りの笑顔なので
ますますおかしい。
クレームに入れるバニラペーストの量、「スプーンでこんくらい」とか
アングレーズの加熱は「鍋ふつふつするくらい」とか
ムースの、生クリームと合わせるときのピュレ生地の温度は
「ボウルの底を触って冷たいと感じるくらい」とか
普段温度計できちっと測るチームMFには戸惑うことが多い。
これも後で聞いたんだけど、コルドンでは
温度計できちっと測るのは飴がけの時で、
あとはチョコのテンパリングだろうがアングレーズだろうが
状態見て判断なんだそうだ。
難易度高し。
もともと、「誰が作っても同じようにできるルセット」を目指すイルプルと
スペシャリストを育てるコルドンの違いなのだし
どっちがいいも悪いもなく
ただひたすらにカルチャーショック。
先生がカットしたビスキュイ生地を
台の上に直接置いちゃって
さらにその上にルセット重ねちゃったりして
あらまあ。。。なんてびっくりしたりね。
グラサージュに着色する時、ついうっかりたくさん入れてしまって
かなり濃い色になった私のを見て
あ、そんくらいにしてもいいかも!と他の3人が
どんどん色追加するのが面白かった。
仕上げて冷蔵庫にしまい、試食。
先生もその場にいてお茶だけ飲んで
「何か質問は?」
「粉ゼラチンと板ゼラチンって違いありますか」
「ない」
「グラサージュは日持ちしますか」
「しない」
って、何かものすごくバッサリした回答がおかしい。
美奈さんと話すときにはもっと滑らかなのに、人見知り?
チョコパフの食感がとても楽しい。
クレームの濃厚なバニラの香りに癒される。
想像していたよりずっと優しい印象の味。
でもムースをもっと食べたかったな。
ビスキュイ一枚間引きしてもよかった。
先生が、今回作ったパーツは
単体で他のお菓子に使ってもいいし
組み合わせを工夫してもいい、とおっしゃるので
ちょっと驚いた。
いつも習ってるのは、完成されたバランスを大事にするケーキなので
パーツごとに他で使ってもいいよね、なんてことは言われない。
帰り道、博子さんと
「パフすごく気に入った!ムースの下に敷くのやってみよう」
「チーズケーキの台でもいいかもねー」
なんて話しながら帰った。
結局パーツの仕込みは一切なく全部作っての3時間コース、
時間押してしまうのが想定内で、思いがけずきちんと終わったということだけど
参加した人がみんなそれなりのレベルだったということかな。
ちょっとは知ってると思ってた世界が
全く違っていたことに衝撃と興奮を覚えた
とっても楽しい体験だった。
お連れくださった美奈さん、ご一緒した博子さん、みなこさん、
ありがとうございました!
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