隅田川の花火

降りるべき駅を間違えて
ほぼ3キロを歩くはめに

浅草駅付近は
目の前の浴衣ねーさんの
襟先が鼻に刺さりそうな
混雑ぶり

言問橋を通りすぎ
喧騒を抜けて
たどりついたビル
一年ぶりの
親戚のお姉さんの嫁ぎ先

屋上にみんなでリレーする
ごちそうの入った器
テーブルに乗りきらないほど

みんなで飲んで食べてると
スカイツリーにかぶさるように
大きな花火が上がりはじめた

プログラムを読みながら
絶妙なネーミングに感心
〈夜桜お七花の舞〉
〈東京イルミネーション〉

電気ねずみや
地縛霊猫も

夜空見上げて
ためいきついたり
歓声あげたり
一時間半

風が強くて
ときおり
花火の灰が降ってくる
星を包んでる頑丈な紙

作ってみたいな、花火
むずかしいんだろうな

プロでも
思い描いたように咲かせることが
できるのは100にひとつくらいとか

ほんの一瞬の煌めき
心臓に直接響く轟き
火薬の匂い
なんでこんなにココロわしづかみに
されるんだろう



お姉さん、今年もありがとうごさいました