まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

ミサリングファクトリー8周年祭

2015-05-04 21:25:37 | 日記


やきいもやさんごっこ、というやつに
夢中になってた子供の頃。

三輪車をひっくり返し
拾い集めた大量の葉っぱを
後輪にがさがさ振りかけては
ペダルを思いっきり回す。

今思えば、
それのどこがやきいもなんだか
わからないけど。

タイヤにぶっとばされる
葉っぱとなんかのゴミの
勢いがものすごくて
そばにいる妹らには絶不評な遊び。

まあ、やきいもやさんは置いといても
その年頃のコドモは
だれかしらへの憧れが高じて
憑依されてるようなもの。

数年前、キッザニア(職業体験のできるアトラクション)が出来たときは
とっくに大人なくせにやたら興奮し
当時小学生のムスメに
行こう!予約しよう!とうるさく言って
えーべつにキョーミないーと拒否された。
(現在大学生、公務員になろうかなーとか言ってるあたり、徹底してるっちゃしてるな。)

お菓子教室の周年祭で設置される
一日かぎりのカフェは
おみせやさんごっこの最上級。
そりゃ楽しいわけだよね。
本物のお菓子を作って
本物のお客さんに
本物のお金をいただいて提供するんだもの。


朝の打ち合わせ、係決め。
「ウェイトレス、やりたいひとー?」

そう、こどもの憧れるのは、
ウェイトレスであって
ホールスタッフではない。

あとは、キッチンと、パントリー、受け付けに分かれて
作業開始。



すったもんだは、あるものの(笑)
オープンの11時には、なんとかスタンバイ完了。


恒例のくすだま割りで、カフェがはじまる。

と同時にお客様がぞくぞくと。



あっというまに、ほぼ満席。
お客様の合間をぬうように
こどもたちがトレイをかかげて
せわしなく行き来する。

松本先生も受け付けでにこやかに
応対している。

ブースを出展している
旅するコンフィチュールの克美さんと
その様子をみながら
最初の頃は、前日までのハードワークで
周年祭当日はちょっと弱ってたけど
最近は元気そうですねー、と話す。

そういえば、今でこそこんなふうに
おしゃべりしてるけれど
最初の頃は克美さんを周年祭でお見かけしても、
先生のお知り合いかー、綺麗なひとだなー、
と思ってただけだったし
例年カフェの奥でポートレイト撮影を
している川名マッキー氏
(自身の写真展と日程重なり、今年は不在。)も、最初はスタッフとしてスナップを撮ってもらうだけの繋がりだった。

そう思って見回すと、
松本先生の繋いでくれたご縁で
仲良くなれたひとたちが
たくさん座っていて
楽しそうにケーキを食べている。
なんだか、すごいな、と思ってたら
奥でくるくる働いていて、ふと顔をだしたみなこさんが
「わぁ、みなれた顔がたくさん!」
と嬉しそうに笑う。



提供しているのは、コミュニティ。
松本先生のおっしゃることを
まさにビジュアル化したものが
これなのだ。


こんなに素敵なデザートを作ったこどもたち。
反省会ではまだ課題も確認されたけれど
たくさんの人との繋がりのなかで
たくさんの人のあたたかい眼差しに守られて
来年はさらに成長するんだろうな。
その体験のなかで、自分が
おもしろがれるものを見つけて
ごっこじゃない実像を手に入れればいいよね。


一昨年から来てくれてるお客さまに
来年もまた美味しいお菓子を
食べてもらえますように。









MF周年祭&写真展

2015-05-04 01:29:49 | 日記


スタジオ入り9時。

お菓子教室に通う子どもたちの
年にいちどのお楽しみ。
オープンしたGWにあわせ
行われる周年祭で
いちにち限りのカフェ営業。
企画から運営、もちろん製菓も
子どもたちが主体となり、、、

とはいえ、大人アシスト入り。

理由その1
製菓の修羅場を先生に見せると
具合悪くなりそうだから(笑)

理由その2
大人が楽しいから!

今日いちばんおもしろかったのは
プルトップ、ちぎっちゃいました事件。
ココナツの缶詰渡したら
ちゃんとスプーンでリングを起こしたから
やったことあるんだとおもったら
一瞬目を離したのちに、
リングだけ持ってきて「どーしましょーか」って。(笑)

そっちは缶切りで私がこじあけ
次のひと缶持ってきてレクチャー。
だいじょぶ、何個かやればできるから!
と励まし(なんかうろたえてたから)
力のベクトルはこっちじゃなくてこっち、手を切らないように無理しないで、
おおーちゃんと開いたじゃん上手!
と持ち上げる。

あとでムスメ@月1レッスンスタッフに、
なんで最初にやりかたわかりませんとか言わないんだろーね?と話したら
そうやって言いに来られる子と来られない子がいるんだよ、との返事。
それにしてもおうちでツナ缶食べないのかなー 。

でも、なにごとも、初チャレンジ成功!ってのは大事なことよね。

お菓子教室では、卵はじめて割る子がいると、
たとえ一回目ぐしゃぐしゃにしても
もう一度チャンスをくれる。
経費のこと考えたら大胆だけど
それよりも、できた!って経験を
先生は大切にしている。

だけど今日みたいな制限時間内に
やるべきことがぎっしり詰まってる日は
あんまり悠長にはできない。
むしろ切羽詰まったところで
ぎゃーすか言われながら
どうしたらいいか必死に考えながら
動くことで成長するのかも。

ざあざあ雨の降った翌朝の
竹の林にいるみたいに
スタジオのあちこちで
コドモがにょきにょきしてる眺めが
心から楽しい。

作業がだいぶ巻きで進んでいる。
2時に早退させてもらい、
みなとみらいの写真展へ。

会社の同僚ちゃんが来てくださる。
カメラの師匠の撮ってくださった私をみて
職場とぜんぜん違う顔してますね!と(笑)
会社ではちょっと冷徹風だからね。。

お嬢さんがサッカーを、息子さんが野球をしてる彼女。
グランド以外のアートな空間は新鮮!といってくれてほっとした。

お菓子教室の準備を終え、先生合流。
みんなでうどんを食べにいく。
おなかいっぱいの帰り道、アイスキャンディの店の前で
ここ、一度食べたいんですよねー、
とつぶやくと
そういうのはとにかく行っておこう!
と先生。狭い店のなか、四人であーでもこーでも。
思い思いのフレーバーを選んでえらい高額支払って(笑)外のベンチでばきばき食べる。みんなで一通りかじり合う。
八年前の、初回周年祭のことを思いだしながら話す。セルフカップケーキ作りとか、色紙で巨大なタルト作りとか。二日間開催でしんじゃいそうだったねとか。
夜風はすうすうする。アイスはじゃりじゃりする。おなかいっぱいすぎる。なのになんでこんなに楽しいのかな。

明日はいよいよ本番。
お天気よさそうでよかった。
たくさんのお客さんに
楽しんでいただけますように。







5月のお菓子レッスン☆柚子のパウンドケーキ

2015-05-03 01:01:40 | お菓子作り


連休初日の今日は
お菓子のレッスン!
ちゃんと早起きしましたよ。
なぜならこないだ、はじめましての方に
blog拝見してます、お正月寝坊したんですよね、と
ご挨拶いただいてしまったからです。
なあんちゃって。

パウンドケーキの素晴らしいところは
よーくよーく混ぜてれば出来上がる
というところです。
やわらかくしたバターに
砂糖、卵黄、オリーブオイル、柚子ペースト、お酒、粉、メレンゲを順番に少しずつ。

混ぜる回数やメレンゲたてる秒数が
同じでも人によって全体にかかる時間や
できあがり生地の状態がちがうのは
不思議ですけれどね。

隣で作ってる博子さんの生地は
均一感すばらしくマットでつややか、
美しいのひとこと。

このパウンドケーキは、上白糖と日本酒で
しっとりこっくり和のおいしさです。
お酒は、香りのたかい大吟醸を使うべし、とのことらしいのですが
先生も生徒も下戸揃いなのでぽかんです。
そして、オリジナルだと、酒量がめちゃめちゃ多い!
これ作ったとき、y田師匠はきっと酔っぱらってたんだね、とみんな納得(いいのか?)
気持ちよく3分の1で作ります。


お酒を混ぜるタイミングが二回。
理由は、豚汁に味噌をいれるタイミングが二回なのとおんなじだそうです。
ここでは料理やらない私だけぽかんです。

柚子のペーストは、生地に混ぜるのと、生地のなかほどに挟むのと、
ポンシュに混ぜるのとで三段階。
たっぷり使います。贅沢だなあ。

入会してまもない方が
キャソナードってなんですか?
オリーブオイルはなぜ入れるんですか?
と質問されていて
今や疑問にすら思わない私だけど
そうだよねー、不思議だよねー、と
懐かしく思いました。

パウンドケーキのもうひとつ
素敵なところは
粉や砂糖の種類や卵の混ぜ方、
中に混ぜる素材、あわせる香料やリキュール、
組み立てや仕上げの方法によって
たくさんの異なるおいしさが
表現できるところです。
あたたかい季節は柑橘で爽やかに
さむい季節はドライフルーツやナッツで重厚に。
気取らないおやつなら、さつまいもや、りんごでほっこり。
チョコ生地とマーブルにしたりね。
変幻自在。

小さい頃、念願のガスオーブンを手に入れたママが、ときどき焼いてたパウンドは
ラムレーズンの入った生地のどっしりしたやつで
上面にドレンチェリーとアンゼリカの
飾りがついていました。
この飾り、見た目かわいいんだけど
食べると驚愕のまずさだったのですよね。懐かしい。
どっかにまだ売ってるかな。

ただ、ひとつだけ残念なのは
パウンドケーキは焼いたその日には
食べられないってことです。
まだ、素材のみなさんがよそよそしいからね。
一晩ともに過ごすと、仲良くなるのです。

そんな、仲良くなるのに忙しいパウンドが、いま、冷蔵庫にいます。

だから明日も早起きしますよ。








写真展

2015-05-02 23:38:52 | 日記

なんでここにあるのかなぁ。。
ここ10年、繁忙期を直撃する連休は
嬉しさ半分、しんどさ半分。
突入前夜、終わらない仕事と
営業さんらの絡み付く視線を
ひきちぎり、みなとみらいへ走る。
目的は、写真の貼り出し。

主催の川名マッキー氏は、参加してる
趣味の写塾の塾長であり
グラフィックデザイナー、カメラマン。
撮りためた千枚以上のポートレイトから
「face look」と称して数点を展示。
その横に写塾の希望者も出展。
経費をなるべく安くあげるため
じぶんでやれることはじぶんで、と
ものさしやら、養生テープやら
かばんにつっこんで会場へ入った。

しかし、持ち場のパーティションと
マッキーが用意してくれた写真パネルを
前にしばし呆然。
仮どめしてから調整を、とおもうが
パーティションの素材が養生テープでの接着を拒否。
採寸してレイアウトきめてテープでマークして、、、何時間かかるんだ?
次の瞬間、ぶっつけで貼る決意。
お手伝いに来てくださってた
その道のプロが苦笑い。
「性格でるよねー。」

両面テープを四隅に貼り、ばしばしとやっつける。
あっ、紅葉の写真、逆さまにしちゃった。まっ、これでもいっか。
すると隣で作業していた仲間が
「いやいやいや!」と手をのばして
はがしてくれる。
やっぱり、だめですよね。

小一時間で貼り終わる。ほっとした。
八枚のパネル。いつもお世話になってる、師匠と仲間の笑顔。
掲載を快諾してくれた、モデルのひとりが
パネルの隣に立って記念撮影。
とても嬉しい。しかし時間切れ。
仕事に戻る。今度はこっちが後ろ髪だよ。

翌日、つまり今日、
朝からお菓子のレッスン。
パウンドケーキ二台持ち帰り。
ゆうべ、へろへろになってた
師匠の顔が浮かぶ。
一台進呈することに決めて
会場に向かう。
電車も駅も広場も通りも
ひとでごったがえす休日。

会場には、師匠、写塾仲間、遊びともだち、お菓子教室のともだち、わんこたち、
たくさんのなじみの顔がある。
みんなとてもリラックスして楽しんでいる様子。
昨晩、殺伐とした空気を感じた空間に
おひさまの光がたくさんふりそそいでいる。
さまざまな写真たちがおおぜいに見られ
ちょっとすましてるみたい。

やっと、ゆっくりみんなの写真を見る。
おなじ時に、おなじ場所にいて
撮ってたはずなのに
こんなにも感じることや表現方法が
違うんだな、と感心する。
何年か一緒にいると、
それぞれに、そのひとらしさも
表れているのが見えて楽しい。

やはり掲載を快諾してくれた、写真仲間と話しながら
彼女が撮らせてくれた素敵な笑顔は
私にむけてくれる親愛の気持ちなんだと
あらためて気づく。

ポートレイトは感情のやりとり。

そうおもって、我が師の作品を見ると
いかに彼の持ってる思いが
深く、強く、色さまざまで
モデルはその思いに呼応して
こんなにもきらきらした
一瞬の表情を放つのだなあ、、と
ためいきがでる。
そこをのがさずキャッチするのが
プロたる所以。


初日を終え、解散。あと二日。
今夜はよく眠ってくださいね、師匠。