秘密基地においでよ、なんて
これ以上魅惑的な誘い文句ってある?
我らがゾノさんのチャブダイカフェが
お世話になってる皆さんを
焚き火とビールと美味しいもので
もてなす夜。
焼きたいものがあれば
なんでも持ってきていいし
飲みたいものも好きに運び込めばいいし
ミュージシャンもいるから
伴奏してもらって歌ってもいいし
茶道の宗家もいらしてるから
野点に参加すればいいし
何それ、つまりはやりたいことが
いっぺんに全部叶うってことじゃん。
さらに私は去年と同じく
ツェッペリン号と氷塊は用意するから
好きにかき氷屋さんやっていいよなんて言われて
すでにその言葉を待ちわびて
2ヶ月前に作っておいた
長野産あんずのシロップ煮と
新たに苺、桃を煮て持ち込んだ。
ムスメはピザを焼きたいっていうから
生地から作る、、のは諦めて
市販のクラストとチーズ、サラミ、トマトソース。
坂本さんの珈琲はエチオピア コチョレ。
とんでもなく美味しいやつ。
車に大量の荷物を積み込んで
秘密基地に到着すると
ゾノさんとおかみにゃんが準備に大わらわ。
プレート詰めるの?手伝うよー、って
後からやってきたみなこさんと
ムスメと私のチームミサリング参戦。
狭いスペースで50個以上の
プレートにおかずを7種詰めるんだけど
最初におかみにゃんに完成イラスト図を
描いてもらったら
あとは絶妙なチームワークでガンガン進める。
こういうところ我らが師匠の
指導の賜物だよね。
途中で私が抜けるタイミングで
あこちゃんゆっこちゃん参戦。鉄板でしょ。
さて、かき氷の準備だ。
お、すでにツェッペリン号の周りには
お子様達が集まっている。
そうだその前に、チームミサリングに
シュークリームの仕上げお願いしよっと。
「まさかここでこれやるとは!」と
50個はあるシューにテキパキと
クリームを絞ってくれてた。
さすが〜〜。
氷をセットして試しかき。
ショリショリと心地よい音。
シロップかけて味見。
お子様らがガン見。
よし、始めますか。
始めてからやっぱりメニュー表が
必要だったなあと痛感。
いちいち説明するのめんどくさい。
それと三百円の代金に高額紙幣出されて慌てる。
一度フェイスブックで写真をアップしたおかげか
氷あんずが一番人気。
美味しい!って言ってもらえて大満足。
しばし氷屋さんをやった後
松本先生に「練習するよー」と声をかけられる。
ナッペじゃないよ。歌だよ。
日が落ちたらここで景気付けの歌を歌うのだ。
前々日に誘われて、前日に1時間練習した。
ちなみに前日もう1時間はマイク探してた。
結局ミュージシャンのお友達から借りられた
マイクを持って基地から出る。
ちょっと歩いた先に良さそうな空間が。
雰囲気出すために繋がってないマイクを持って
何度か歌ってみて、
「よし、集中力が4分持続するように音量抑えめで行こう」
とナイスな戦略を提示する松本先生。
練習の合間に他の歌を歌ってリラックス。
向こうのグラウンドでサッカー練習してる子達には
一体どういう人だと思われただろう。
さて本番
キーボードのねぃさんに見守られ
「みなさんこんばんはー!チャブダイカフェ宣伝部長の松本でーす!」
「こんばんはー!チャブダイカフェ専属パティシエの坂本でーす!」
すると会場から「肩書きがあんのか!」と驚く声。
ふぇふぇふぇ。お名刺まで持ってるもんね。
歌ったのはzoneのシークレット・ベース。
何しろ秘密基地ですから。
本家は5人で代わる代わる歌ってたやつを
二人でめまぐるしく歌って終了。
スマホライトを振ってくれちゃう人もいて
盛り上がってもらってホッとした。
いいなあ野外ライブ。
と、唐突に藤江もんが
「この場を借りてお祝いを」と言い
ムスメを引っ張り出して
「就職おめでとう!」と。
呆気にとられていると
おかみにゃんがメガ級にでかい花束を
ムスメに手渡してくれる。
わわわ、、、、なんとまあ申し訳ない。
そしてありがたい。
河野さんもムスメのために
とんでもなく希少な中国茶を
点ててくれる。
オーナー夫人と子育てのことなど
おしゃべりしつつお茶をいただく。
上品な一煎目、きりりと苦味の二煎目
愛子さんのピロチュン変幻自在。
そして締めは壺月流宗家、にょせんさんのお点前を。
地べたにマットやゴザを敷いて
小さな衝立を立ててあるだけなのに
そこだけ別世界が現れる不思議。
お祝いの気持ちを込めていたします、と
にょせんさんの凜とした所作を見てたら
なんだか感動しちゃって鼻がぐずぐずになった。
お茶は本当に身にしみる美味しさだった。
ふと、
ここに今自分がいるのは
元をただせばムスメが10歳の時
「ケーキ習いたい」って言い
松本先生に出会ったからなんだな
と思ったら
まさか12年後にこんなに綺麗な月の晩に
こんなに心地よい秘密基地で
こんなにたくさんの人に祝っていただけるなんて
思いもよらなかったことで
いったいこの感謝の気持ちを
どこへお返しすればいいんだろう
そもそも返せるんだろうか
と不安になる。
見渡せばそこらじゅう
才能のある人ばかり
翻って自分を見るとなんかしょぼいなと思うけど
かき氷美味しかった、とか
歌良かった、とか
言ってくれる人がいると
多分この秘密基地に満ちている
幸せな空気の幾分かは
私も作るお手伝いをしてるんだと思える。
そのことがほんわり嬉しい。
ゾノさん、おかみにゃん、ありがとうございました。
ご一緒したみなさん、また遊びましょう!
✴写真は原さんから。ありがとうございます!