子供の頃から母親に「あれダメ!」「これダメ!」と、言われて育ってきた。
母親の言うことは絶対だった。
やりたいことはすべて反対された。
行きたいところもお伺いをたてると反対されるので時には嘘をついて出掛けた。
嘘はバレるのだ。
ほとんどプライバシーの無い生活を余儀なくされた。
見合いした相手と勝手にデートの約束をしてきてはいけない。
うっかり勝手に約束してきて怒られた。
デートをして帰ってきたらデートの内容を根掘り葉掘り聞かれた。
朝起きる時間も夜に寝る時間も決められた。
出掛けて一旦家に帰ってきたら再び外出は出来ない。
近所のコンビニさえことわるのだ。
「コンビニにアイスを買いに行っていいですか?」
社会人になったら仕事が終わったら家に帰らなければならない。
寄り道はダメなのだ。
職場の他人と食事や飲み会等はあらかじめ伝えておく。
なぜなら夕食を作っているからなのだ。
残業も伝える。
華美な化粧や服装やアクセサリーや髪型はダメなのだ。
地味でおとなしくて控えめを求められる。
赤やピンクやオレンジはダメなのだ。
化粧はファンデーションに薄い色の口紅です。
眉毛を整えることもダメなのだ。
とにかく大人しめの母好みにしなければならなかった。
そこにはいつも母の監視の目があったのだ。
今でこそショートカットですが「ショートカットは男みたいだからやめてくれ!」だった。