

ここは完全な車椅子社会で、何でも車椅子が優先で、周りの人は、先生と看護師さんを除いて全員と言ってよいほど車椅子利用者なのです。
全箇所にちゃんと手摺が付いていて、生活がとても楽に過ごせるようになっていました。
その気になれば一日中立たなくても済むので、健康な時よりかえって快適かもしれませんね?
助かるはずのない私が、どうしたことか助かってしまったのだから、言うまでもなく、当然最悪の障害が残ってしまいました。
まず、目は景色が二重に見えて常に上下左右に揺れていますし、耳も左側がほとんど聞こえません。顔は左側の方がだらんと下がってしまっているのが自分でもわかるのです。
口も左側に曲がっていてしかも動かず、物が食べにくいし水分もたれてきてのみにくい。 も一つついでに喋りにくい! まるで幼児語です。

でも、命が助かったのだから良しとしなければいけませんね?
身体も、右半身が麻痺していて右手右足が全く動きません。平衡感覚も木っ端微塵にやられてし
まったので、回復しても一人では歩けないと言われました。

まるで足は腰からぶら下がっているような感じです。そしてこんなにも手足が重いものだとは思ってもみませんでした。
泥酔して意識を無くした酔っ払いを担ぐと、よく、「石の様に重たい」というのがわかるような気がしました。


七沢リハビリ病院の玄関を入ると、とっても大きなテレビが置いてあり、その周りに大勢車椅子の患者さんが集まってじっと画面を見つめていました。

とにかく面会者と病院職員以外はほとんどが車椅子の患者さんなのです。
きゅうちゃんの部屋は玄関からかなり遠く、一階の長い長~い廊下をひたすら歩いてエレベーターまで行くのですが、途中いくつかの訓練室がありました。
言語訓練室、作業訓練室、あと(忘れてしまいましたが)もう一つの訓練室でした。
いつも出入り口が開いていたので、チラッと中を覗きながら通っていました。

例えば言語訓練室ですが、暗くて狭い部屋で、とても大きなテーブルがドンと置いてあり、後ろの棚にはテープレコーダー

きっとここで発音や言葉の訓練をするのでしょうね。

リハビリ室は一階と地下の二箇所で、きゅうちゃんは地下で訓練を受けていました。
初めて一緒にリハビリ室へ行った時に、思わぬ物を発見したのです


それは「温泉療法室」でした

「あ、これ、いいね~


ここで何ヶ月か頑張って、最後のご褒美に入れてくれるといいね
