落葉の積もる場所

- The way I was -
 

百二十円

2009年12月19日 | WEBLOG
        




1970年代。




広島県東部にある 人口8万の田舎町  三原市。
































 

小学生のちっぷくんは、 家庭科のじゅぎょうで必要になった

 さいほうセットを買わなければならなくなりました。





おかあさんがお家にいれば、 おかあさんにたのんで買ってきてもらうのですが、

 あいにくおかあさんは、 たんしんふにんちゅうのおとうさんの所へ行っていたのです。





しかたなく、 その日の下校とちゅう、

 ふだん、自転車つうがくでとおっている道から離れたばしょにある、

 「さいほう小物」というかんばんが出ているざっか店へ行くことにしました。
















   「すみませーん」








初めて入るお店に、 きんちょうするちっぷくん。









店のおくから出てきたのは、 やさしそうなおばあさんでした。





   「あのー  さいほうどうぐを買いたいんですけどー」









おばあさんは、 がっこうで使うことを、ちっぷくんから聞くと、

 奥のほうから 青いさいほう箱と、 針や糸をえらんで出してきてくれました。



            

   「じゃあ、 ぜんぶで 1,120円ね。」





おばあさんがそう言ったとき、 ちっぷくんは ドキっとしました。









なぜなら ちっぷくんのポケットには、 千円札1枚しか入っていなかったからです。













   「あのー、 ぼく1,000円しか持ってないんで、 おかあさんがかえってきたら

     お金をもらって もう1回きます。」












すると、 おばあさんは やさしいほほえみをうかべながら、 





   「ええんよ、ええんよ、 お金はいつでもええけえ、 さいほうセットはもって帰りんさい。」





     と、言って  さいほうセットをふくろにいれてくれたのです。










ちっぷくんは、もっていた千円札をおばあさんに渡し、 お礼を言ってお家に帰りました。


























 
        ありがとう おばあさん





        おかあさんが帰ってきたら すぐに120円持ってくるね





























































































毎日、気になっていた 不足分の120円。







しかし、 それはいつしか、


   「いつでもええ」って言うとったし、  「いつか、 ついでの時に持って行こう」


     という気持ちに変わっていった。





断じて、  「このまま、ごまかしてしまえ」 という気持ちはなかったのだが。























そして、  私は、その後 三原から引っ越してしまい、 返金に行く機会を逃してしまった。
























さらに、広島を離れ、 他県に就職した私は いつしか120円のことを忘れてしまっていた。





いや、 正確に言えば、 決して忘れ去ったわけではなかった。





年に数回程度、 ふと思い出しては、 「120円のためだけに三原までは行けない」

 と、 その都度 記憶の壺に封印をしていたのだ。
































































40歳を超えて、  長く勤めた横浜の会社を辞め、広島に舞い戻ってきた時、

 改めて 120円のことを強く意識した。





私は、 「小学生だった私」が残してきたモノを 清算することを決め、 あの店へと向かった。















国道2号線から、 脇道に少し入った所に、 あの店は残っていた。





あの時のままの店構えだった。





まるで、 優しいおばあさんと、小学生ちっぷが 店の中で

青い裁縫箱を眺めているのではないかと思われるほど、 何も変わっていなかった。





広島からここまで運転して来る間、 頭の中でずっと計算していたのだが、

 あの時のおばあさんが生きているとしても、 もう90歳くらいのご高齢。





まったく話が通じないかもしれない・・・。






























   「ごめんください。」





あの時と同じように、 店の扉を少しだけ開けて、中に向かって声を掛けた。





奥から出て来たのは、 おばあさんだった。










     あの時のおばあさん・・ ?













                      残念ながら、 そうではなかった。


























奥から出て来たおばあさんに あの日からの経緯を話し、 深く詫びた。





そして、 長い年月の利息分と、謝罪を込めた千円札を彼女に渡そうとしたところ、





   「こうして来てくれただけで、きっとお義母さんも喜んでくれとるけえ、お金はいらんよ」













聞けば、 あの時のおばあさんは、 目の前にいる女性の義母にあたるそうだ。














そして  2年前に、 老衰のため 安らかに亡くなった   と。
























2年前・・。





30年近い歳月の流れの中では、  本当に ごく最近の話・・。





それがとても残念だったが、  ようやくこの店にお金を返しに来ることができた。




















   「それでは、 せめて120円だけでも受け取ってください。

     そして、 親戚や近所の子どもの中で 良い事をした子がいたら、

     この120円で ご褒美の缶ジュースでも買い与えてもらえませんか。」




























こうして、 借金をきれいにできた私は、 30年近く心の片隅に残っていたわだかまりを

 なんとか払拭できたような気持ちで 家路に着いた。















         






























しかし、



もう少し早く来ていれば 



あの時のおばあさんに直接詫びを入れて、 



120円を 手渡すことができたのに・・














その自責の念は、  あれからさらに数年を経た今でも 消えることはないのだ。





























そして  それは  きっと、   








これから先も    ずっと・・・









               

アカデミー賞への道

2009年12月18日 | WEBLOG
          



こんにちは、 ジョニー・ちっぷです。         




今日は、 (エセ)映画オタクモード全開です。
















『第82回アカデミー賞授賞式』 - 2010年3月7日(日本時間3月8日)の

前哨戦、 第67回ゴールデン・グローブ賞・映画部門ノミネート が発表されました。





外国人記者の投票によって選ばれる「ゴールデン・グローブ賞」は、

「アカデミー賞」の行方を占う大きな指標として、毎年注目されています。









私は毎年、 「観てもいないのに勝手にアカデミー予想」 をやってます。


今年も、あらゆるメディアを精査して、当てに行きますよ~ 



(毎年、「ロードショー」の評論家よりも、WOWOWの評論家よりも当ててます♪)







ジョニー・ちっぷの アカデミー最終予想は、 2月末に発表いたします。













 ※ 決して「観てないのなら意味無いじゃーん」と軽蔑しないでくださいね。 

    当の本人が一番わかっちょります。

    ミーハーの私にとって、毎年のお楽しみなもので・・・。        







    2月になったら 授賞式を生で観たいから、WOWOWに再加入しなきゃ♪
































GG賞ノミネート  寸評









今年は、総じて チョー地味な顔ぶれですね。


私が、名前すら知らない人がたくさんいらっしゃいます。      













最優秀映画作品賞 (ドラマ)

 「ハート・ロッカー」を軸に、混戦模様。

  『アバター』
  『ハート・ロッカー』 ☆
  『イングロリアス・バスターズ』
  『プレシャス』 △
  『マイレージ、マイライフ』 △





最優秀主演女優賞 (ドラマ)

 無名のキャリー・マリガンvsガボーレイ・シディビーの一騎打ち?

  エミリー・ブラント 『ヴィクトリア女王 世紀の愛』
  サンドラ・ブロック 『ザ・ブラインド・サイド』(原題) △
  ヘレン・ミレン 『ザ・ラスト・ステイション』(原題)
  キャリー・マリガン 『アン・エデュケーション』(原題) ☆
  ガボーレイ・シディビー  『プレシャス』 ☆





最優秀主演男優賞 (ドラマ)

 G.クルーニー強し。 J.ブリッジスへの同情票はいかに?

  ジェフ・ブリッジス 『クレイジー・ハート』(原題) △
  ジョージ・クルーニー 『マイレージ、マイライフ』 ☆
  コリン・ファース 『ア・シングル・マン』(原題) ▲
  モーガン・フリーマン 『インビクタス/負けざる者たち』
  トビー・マグワイア 『ブラザーズ』(原題)





最優秀映画作品賞 (ミュージカル・コメディー)

 「ジュリー&ジュリア」が頭ひとつリードかな?

  『(500)日のサマー』 △
  『ザ・ハングオーヴァー』(原題)
  『恋するベーカリー』
  『ジュリー&ジュリア』 ☆
  『NINE』 △





最優秀主演女優賞 (ミュージカル・コメディー)

 メリルがまたまた受賞? 個人的にはフランス娘マリオン二度目の受賞に期待。

  サンドラ・ブロック 『あなたは私の婿になる』 
  マリオン・コティヤール 『NINE』 △
  ジュリア・ロバーツ 『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』
  メリル・ストリープ 『恋するベーカリー』
  メリル・ストリープ 『ジュリー&ジュリア』 ☆





最優秀主演男優賞(ミュージカル・コメディー)

 この顔ぶれならD.D.ルイスがさらっていきそう…。

  マット・デイモン 『インフォーマント!』
  ダニエル・デイ=ルイス 『NINE』 ☆
  ロバート・ダウニー・Jr 『シャーロック・ホームズ』
  ジョセフ・ゴードン=レヴィット 『(500)日のサマー』
  マイケル・スタールバーグ 『ア・シリアス・マン』(原題)





最優秀アニメーション賞

 ダントツで「カールじいさん」に決まり。

  『くもりときどきミートボール』
  『コララインとボタンの魔女 3D』
  『ファンタスティック・ミスター・フォックス』(原題) ▲
  『プリンセスと魔法のキス』
  『カールじいさんの空飛ぶ家』 ☆





最優秀外国語作品賞

 フランス対ドイツの一騎打ちみたい…。

  『BAARIA』(原題) イタリア
  『抱擁のかけら』 スペイン
  『THE MAID』(原題) チリ
  『ア・プロフェット』(原題) フランス ☆
  『ザ・ホワイト・ロボン』(原題) ドイツ ☆





最優秀助演女優賞

 無名で、おまけに綺麗じゃないけど、 モニークで決まりのようです。

  ペネロペ・クルス 『NINE』 
  ヴェラ・ファーミガ 『マイレージ、マイライフ』
  アナ・ケンドリック 『マイレージ、マイライフ』 △
  モニーク 『プレシャス』 ☆☆
  ジュリアン・ムーア 『ア・シングル・マン』(原題) ▲





最優秀助演男優賞

 ここも無名のC.ヴァルツでほぼ決定。 頑張れハレルソン!

  マット・デイモン 『インビクタス/負けざる者たち』
  ウディ・ハレルソン 『ザ・メッセンジャー』(原題) △
  クリストファー・プラマー 『ザ・ラスト・ステイション』(原題)
  スタンリー・トゥッチ 『ラブリーボーン』 
  クリストフ・ヴァルツ 『イングロリアス・バスターズ』 ☆





最優秀監督賞

 女流監督ビグローが本命だけど、 二世監督ライトマンの才気にも要注目。

  キャサリン・ビグロー 『ハート・ロッカー』 ☆
  ジェームズ・キャメロン 『アバター』
  クリント・イーストウッド 『インビクタス/負けざる者たち』
  ジェイソン・ライトマン 『マイレージ、マイライフ』 △
  クエンティン・タランティーノ 『イングロリアス・バスターズ』





最優秀脚本賞

 タラちゃんが獲るとすれば脚本賞。 ここは激戦区!

  ニール・ブロムカンプ 『第9地区』
  マーク・ボール 『ハート・ロッカー』 △
  ナンシー・マイヤーズ 『恋するベーカリー』 
  ジェイソン・ライトマン、シェルダン・ターナー 『マイレージ、マイライフ』 △
  クエンティン・タランティーノ 『イングロリアス・バスターズ』 △


































                まだまだ、 先の長い話だなあ・・・       









        

ゲンかつぎ

2009年12月15日 | WEBLOG
         




先月(?)観た テレビ番組で、 


財布の中の お札の向きと裏表を きっちり合わせるよう気を付けていると、


金運が向いて来る、 と聞きました。











で、  年末ジャンボも近いことだし、 


先週から、 財布の中のお札の並べ方に留意し始めた私です。
























その途端、  当りました♪       「リビングひろしま」のアンケート回答で!

















           クオカード  2,000円。

























年末ジャンボに向けて、  これは 「吉兆」 のような気がしてなりません。






















少しだけでも幸せになりましょう♪            皆さんも是非!!









            

大英断

2009年12月13日 | WEBLOG
                 




今日も、 日曜だというのに、 「早起き鳥」のちっぷ。    






最近、 くろねこ を呼んでいないせいで、ワインも焼酎も切らせてしまいました。     

  




日曜日 = Sunday = 朝から飲める日。    






でも、 買いに行くのが 面倒くさい。    






すごく寒いし。    




















              ・ ・ ・ ・



















                    



















そうだ。     






躊躇したまま、 手を付けていなかった 消費期限切れの紹興酒 があるぞ!     



























                        ・ ・
というわけで、 今日は餃子を焼いて、 あの紹興酒を飲むことに決定いたしました♪






                          











































もしも明日、ブログを更新していなかったら、  どうか冥福を祈ってやってくださいまし。




                                        








         

                 

あゝ 東尋坊

2009年12月12日 | WEBLOG
                    



 
ご存知、 北陸・福井県有数の観光スポットです。












3年前、 福井県へ旅する計画を立てていたとき、

   訪れる場所として、

 

     1. 『東尋坊』


     2. 『永平寺』


     3. 『福田和子が捕まったおでん屋』 



   の3つだけは 絶対に外せませんでした。













     

残念ながら、福井駅前にあったはずの おでん屋・・・

宿泊したホテルのフロントマンに確認したところ、

駅前都市開発のため、 無くなってしまったそうです。


         
























永平寺。

お寺の中は、 静謐で荘厳な佇まいで、 凛とした空気感。

さすが、 禅宗の総本山 と感心しきり。

心の底から 大満足でした。


              































そして、 いよいよ 最大の目的地  東尋坊。

写真やテレビでよく見かける 荒々しい景色!!




  「早く見た~い」       
    



車をぶっ飛ばして、 ずーっと憧れていた景勝地へ到着した途端 ・・


























10年ほど前に来た ことを思い出したのです。

       
                











電力会社関連の研修旅行で、 発電所視察に来た時、

脚を伸ばして訪れていた  東尋坊…。




雑然とした駐車場付近には、


焼鳥やら、フランクフルトやらの屋台が乱立。


「ここ最悪じゃ~ん」 と思ったこと。










    記憶が蘇りました。         ←  遅いわい!  
















     同じ風景に  2度落胆 させられた 粗忽者の私。




                
                どぼぢて… どぼぢて… 






















    

    写真で見る景色はいいけど、 周辺には、焼鳥の匂いが   ぷ ぅ ~~ ん 

















      

















※ そんな馬鹿な! と、お思いの方も多いでしょうが、 同類の事件は「日光東照宮」でも起きてしまいました。