『男と女』 サウンド・トラック(フランシス・レイ楽団)
”Un Homme Et Une Femme” Sound-track ( Francis Lai ) 【YOUTUBEより】
1966年制作のクロード・ルルーシュ監督による同名のフランス映画の主題歌で、ボサノヴァ調の主題歌は
フランシス・レイの作曲によるものです。
サントラ盤における、「ダバダバダ…」という一度聴いたら忘れられないスキャットはピエール・バルウと
ニコール・クロワジールが唄っています。
関連記事
2014-10-29 映画音楽史(270)『男と女』1966年公開
この映画がつくられた時代背景として、ルイ・マル、トリュフォ、ゴダールたちが築き上げたいわゆるカイエ派の
ヌーヴェル・ヴァーグが頂点を迎え、左岸派もジャック・ドミ、アニュエス・ヴァルダ、アラン・レネなどが意欲作を
発表していたものの、ヌーヴェル・ヴァーグ自体が少し陰りを見せ始めたころでした。
そこに現れたのがヌーヴェル・ヴァーグと一線を画す新進のクロード・ルルーシュでした。
共に子連れで配偶者を失い、過去から逃れられない男女が過去と惜別して新しい一歩を踏み出すという物語を
詩情豊かな映像美と音楽を巧みに融合させた華麗な語り口によって映画の新分野を切り開いています。
当初は資金不足のためモノクロ撮影で企画されていたのですが、色彩を捨てきれずにモノクロとカラーの併用で
撮影されることになったようです。
昼と夜、室内と屋外、過去と現在など場面によって基調が切替えられ、鮮やかな色彩で華麗にそしてセピアでは
しっとりと情感を訴えるという独特の手法が逆に映像美を際立たせることになって見事な作品に仕上がっています。