ハングル;教え、そして学ぶ

日々ハングル(韓国、朝鮮語)を教えながら感じること、韓国ドラマでみる名言。

「赤い実」5   梅の花がやっと

2025-02-28 21:56:39 | 翻訳
父はその後もぐんぐん育ち、二度も大きい鉢に植え替えなければならなかった。水もコップ一杯では足りないくらいたくさん飲んだ。育つほどに葉が生い茂り、茎も太くなり、今はもう、立派な一本の木になった。小枝や枯れた葉を取り除くと見栄え良くなるのに、話を切り出すだけで悲鳴を上げ大げさに怖がるので、仕方なくぼうぼうになるまで放っておくしかなかった。初めからこうなると分かっていたら、もう少し小さくてかわいい苗木を買えばよかったと、ときどき後悔することもあったが、何はともあれ、父はだいたいご機嫌で、水と光さえあればいいので、生前の父よりはうんと扱いやすかった。
それでも父は父なので、時折変なことをするのは以前と変わりなかった。いったいどのように見ているのか、それとも聞いているだけなのかは分からないが、とにかくテレビの前に連れていってくれと言っては、「韓国グルメ旅行」という番組を、一日中見ているとか、どうも根っこに虫がいるようだから一度抜いて確認してくれ、と言ったこともある。爪の間に土が入るのが嫌で、あとで、と言うと、まだ覚えているのか、あのときのプールでの事件を、また吹っ掛ける。「昔だな、俺が人間だったときに、だな。おまえが、プールで水玉模様の水泳帽を被って……」「もう分かった、分かったから。」結局ビニール手袋をはめ、父を鉢からぽこっと引き抜き、根っこに目を通すのだが、もちろんそこには何もなかった。


春告げ花と言われる梅の花、今年はこの寒さでどこも一カ月近く遅いそうですね。最低気温6~9度が一カ月ほど続いたご当地。わが家の梅もやっとほころびはじめました。
4年前の写真と比べると違いが歴然です。


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