今日は冬至,柚子湯に漬かる日。温泉に入るカピバラの姿を想ったら,急に「ネズミ」の思い出がよみがえった。
インドネシアに3年間住んだことがある。新築の家に入ってすぐ,ベッドの上の天井にチュチャと呼ばれる蜥蜴が張り付いているのには驚かされた。もっと大きな蜥蜴はトッケと呼ばれ,夜になるとその名の通りトッケ,トッケと鳴いていたが,姿を見たことはない。当時,日本ではエリマキトカゲがCMに登場していたが,妻は実際に見たと興奮して話していた。
ネズミも出る。ネズミは確かテクースと呼ばれていた。
そのテクースが出るとメイドさんたちは大騒ぎ。三人のメイドさんが追い回すのだが,なぜか楽しそうなのだ。私が子どもの頃は「ネズミ捕り」なる針金状のもので作った檻?があった。中に付けた餌に触れると檻の入り口が閉じる仕組み。捕まえたネズミはどうしたかって,,,。小川に持っていってそのまま水につけて殺した。
メイドさんたちは追い回してやっと捕まえたテクースをどうしたか。何と,家の門の外に逃がすのだ。妻が驚くと(妻も殺すと思ったに違いない),メイドさんたちは笑ってこう言う。「もうあのテクースはやってこない。」
日本には鶴の恩返しや浦島太郎の話があるが,インドネシアにも「ねずみの恩返し」という報恩譚があったのだろうか。今振り返れば,3年間の中で彼らが子どもを叱る声を聞いたことがない。運転手さんは,雨季の驟雨であふれた川から道路に流されてきた亀を拾ってきた。私たち息子のためにと庭に放してくれた。亀はクラクラ,呼ぶと出てきて茹でたうどんを食べていた。
ねずみを水死させた自分が恨めしい。
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