民主党は維新の党と合流に合意して初となる29日の衆院予算委員会に、前夜に作戦会議まで行い安倍晋三政権に挑んだ。しかし、民主党は「1億総リストラ社会」「待機児童増はうれしい悲鳴」など安倍政権のイメージダウンを狙ったスローガンを連発。政策論争は深まらず、おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は「レッテル貼りの嵐大作戦だ」と皮肉っていた。

 民主党の大西健介氏は、安倍政権の労働政策を追及した。民間企業が子会社のリストラをめぐり再就職支援のための国の助成金を受け取り、再就職支援を依頼した人材会社などからリストラ方法の指導を受けていた事例を紹介。退職強要が起きる可能性があるとして「国の制度が退職勧奨や退職強要を後押しするのではないか。1億総リストラ社会になる」とただした。

 首相は「(再就職を支援する会社が)退職者を出すことは趣旨に反する。適切に指導したい。クビ切りを奨励するというのは間違った認識だ。大事なことは、そうした事例をどう無くすか議論することだ」と反論した。

 そして、奥野総一郎氏は政治的公平性を欠く放送を繰り返した放送局に電波停止を命じる可能性に触れた高市早苗総務相や首相の発言を追及。有名キャスター降板と官邸の意向との関連を指摘する週刊誌記事などを例示しながら、「首相の発言が報道の萎縮を招かないか」などと質問した。

 これに対し、首相は「間違ったり、事実と違ったりする報道もある。そのときは訂正していただかなければならない」とし、「週刊誌に隠し子がいると断定されたことがある」と自身の体験も披露した。「停波」をめぐっては民主党政権時代の答弁を踏襲していると強調。「(奥野氏は)一生懸命、三十数分にわたりイメージ操作をしようとしたが、うまくいかなかったのではないか」と切り返した。

 さらに、民主党の山尾志桜里氏が安倍政権が掲げる「新三本の矢」の一つの子育て支援にかみついた。首相が昨年11月の講演で「待機児童は前年より増えた。第2次安倍政権発足以来、女性の就業者が90万人以上増えたから無理もない。その意味でうれしい悲鳴ではあるが、待機児童ゼロは必ず成し遂げなければならない」などと述べたこと紹介し、「待機児童が増えたことを『うれしい悲鳴』と言う。理屈、感情両面で不適切だ」と批判した。

 これには、首相も「就業者が増えたことを言った。待機児童が増えたことを『うれしい』と言うわけがない。当たり前のことが分からないのか。曲解して揚げ足を取ろうとしているが、空振りしている」と気色ばんでいた。

 一連のやり取りを見ていた馬場氏は「民主党はレッテル貼りの嵐大作戦だ」と非難した。これには、イライラ続きだった首相も「野党はレッテル貼りに流れがちだが、レッテルを次々とはがしながら、国民に正しい姿を示していきたい」と笑顔で答えた。


民主党って、反対だけが実績のあの党と同じだから、タッグを組もうというんでしょうかねぇ。