衆院厚労委員会の将来年金確保法案について、民進党の長妻昭元厚労相の質問に答える塩崎恭久厚労相=18日午後、国会・衆院第16委員室(斎藤良雄撮影)
(産経新聞)
年金給付抑制の強化策などを盛り込んだ年金制度改革関連法案について、「年金カット法案」と批判する民進党が徹底抗戦を強めている。18日の衆院厚生労働委員会では、塩崎恭久厚労相の答弁などが不十分として審議を数回中断させた。与党は25日にも同委で採決する方針だが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案などが衆院を通過し、会期末も11月末に迫る中、「最後の攻めどころ」と位置づける野党側の焦りも垣間見える。
「安倍晋三首相が外遊でいない間に姑息だ。来週以降も、採決どころか審議が成り立たない状況だ」
同委で野党筆頭理事を務める民進党の柚木道義氏は、与党が同委の理事会で18日中の採決を打診したことを記者団の前で怒ってみせた。質疑では、民進党の委員が「政府の年金減額試算は不正確だ」などとして猛抗議を繰り返し、一斉に退室する場面もあった。
法案は、今の受給者の「もらいすぎ」を是正して将来世代の年金水準を確保することが目的だが、民進党は「今の受給者の痛みが大きく、政府への格好の攻撃材料になる」(幹部)と判断。18日の質疑には、長妻昭元厚労相や玉木雄一郎幹事長代理、大串博志政調会長ら党のエース級を続々と投入した。
TPP承認案などが衆院を通過した今、年金法案の審議は野党にとって後半国会の最大かつ最後の見せ場。「法案の問題点が国民に知られると困るので、与党側が審議拒否しようとしている」(民進党の山井和則国対委員長)などと、与党が「強行採決」に臨もうとする構図作りに必死となっている。
政府・与党は、30日までの会期末を延長しても今国会中の成立を図る方針。衆院採決をめぐり、来週の国会は荒れ模様となりそうだ。(豊田真由美)
こういう野党第1党を選んだのも国民のせいだから…ね。