電通捜索、6時間余りに=社長は業務量削減に言及―労基法違反で書類送検へ・厚労省
電通の女性新入社員が過労自殺した問題を受け、厚生労働省東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)などは7日、労働基準法違反容疑で電通本社(東京都港区)と関西(大阪市)、中部(名古屋市)、京都(京都市)の3支社を家宅捜索した。東京本社の捜索は午後4時ごろまで6時間余りに及んだ。厚労省は押収した資料を分析し、容疑が固まれば法人としての同社と担当者を書類送検する方針。
これまで任意の立ち入り調査を続けてきたが、悪質性が高いとみて捜索令状を取った強制捜査に切り替えた。
厚労省によると、捜索は午前9時半ごろ一斉に始まった。東京本社では労働基準監督官32人が午後4時ごろまで捜索を続け、押収物の入った段ボールを次々に捜査車両に積み込んだ。
電通によると、午後1時から石井直社長が本社ホールに社員を集め、所定外労働時間の上限引き下げや午後10時以降の全館消灯など、一連の対策について約50分間説明。長時間労働の背景として環境の変化による仕事量の増大などを挙げ、業務量削減にも言及した。家宅捜索について触れたかどうかは明らかにしていない。
電通をめぐっては昨年12月、新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が過労で自殺。今年労災と認定され、東京労働局などが電通本社と支社、主要子会社を立ち入り調査して全社的な労務管理の状況を調べていた。
同社の20代の男性社員は「外から圧力がかからないと変わらないのはとても悲しい。自浄能力がない会社だ」と話した。
自浄能力がない会社…ねぇ。
どこかの会社と同じだ。