ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

つし2階アート企画vol.16「つうず_れ_る」開催中~9/30

2018-09-10 | アート
・奈良町にぎわいの家 つし2階のこと。
当館玄関すぐ表屋の2階は、つし2階と言って天井の低い部屋があります。時代劇のドラマで女中さんたちが寝起きするような天井の低い部屋を見ますが、そんな空間に良く似ています。ただ、当館の場合、空間を仕切る壁に茶室のにじり口のようなものがあり、一体、どのような意図で使われていたのかが、よくわかりません。そんな不思議な空間は、子どもたちにとってはまるで忍者部屋、思わず盛り上がってしまうようです。また、背の高い海外のお客様は、頭を下げないと天井についてしまい…。隠れ家のような、魅力的な空間です。

・つし2階アート企画
この狭くて天井の低い空間で、現代アート展示を始めてから、この秋で3年たちました。奈良アートプロムのサポートで、奈良や関西で活躍するアーティストの皆さんが、平面、立体、写真、音、などなど、この空間を使って実験的な展示を繰り広げてくれました。
9/30まで開催中の「つうず_れ_る- Communication / Miscommunication -」は本企画では二度目のキュレーションとなる、中野温子さん。中野さんの作業は、作品コンセプト、デザイン、制作進行上の言葉のやりとり、全てひっくるめて、それが最終展示にまで丁寧に反映されていきます。今回の企画は中野さんがイギリスで学ばれた折に出会ったアーティスト2名の展示ですが、「コミュニケーション」をテーマに、「つうじる」ところ、「つうじない」ところも含め作品にというあたりから、始まりました。ローラさんとは、奈良の小学生、中学生がスカイプを通じて、ローラの住むイギリスの朝と当館の夕方、映像の互いの顔を見ながら、子どもたちは、自分なりの「ホーム」(作品テーマ)を伝え、それを受けてローラが制作します。もう一人の作家、ルイーズには、来館者の方に手紙を書いてもらい、そこから「ホーム」を作品化する試みです。

・ローラ来日!
ローラさんは8月終わりに来日、実際につし2階で制作作業をされました。町家の2階の暑いこと…。本当にお疲れ様でした。作品は是非、見ていただくとして…。ローラとの出会いは私にとっては、とても大きいものでした。何が素敵かというと、何でも美味しくよく食べる!海苔、コンニャク、冬瓜?!
何というか彼女には変なバリアがなく…食だけでなく、佇まいや作品への向き合い方も、まさに今回の「つうず_れ_る」の作品テーマを、ローラ自身が体現され、それを私たちとの関わりにおいて還元してくれる、そういった感覚です。すっかりファンになりました。9/2にはローラと中野さんのアーティストトークも開催、制作までのノートも公開し、その中には、交流した子どもたちの言葉も沢山ありました。つし2階の奥にローラの作品が、そして、ルイーズさんの「ホーム」は階段上がってすぐの空間に。どうぞ、皆様、お見逃しなく!!

以下のホームページから、動画や制作過程をご覧いただけます。
https://tsushi2-art.wixsite.com/tsuzureru

奈良テレビで紹介した作家二人の写真

 ローラ・トンプソン

 ルイーズ・ローランド

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