田中邦衛さん死去 88歳、「北の国から」黒板五郎役：朝日新聞デジタル
テレビドラマ「北の国から」の黒板五郎役で人気を博した俳優の田中邦衛（たなか・くにえ）さんが3月24日、老衰のため死去した。88歳だった。葬...
朝日新聞デジタル
生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りいたします
田中邦衛さんとは一本だけ映画をご一緒させて頂きました。武田泰淳原作初期の劇団四季が舞台化し、劇団民芸の俳優内藤武敏氏がプロデュースし熊井啓監督がメガホンをとった映画「ひかりごけ」です。船長役の三國連太郎さんと同船員八蔵田中邦衛さん、それと裁判長役の笠智衆さんなどの日本の黄金時代映画を担った俳優が出た作品です。
田中邦衛さんは、映画を好きになったきっかけの作品「ニュージランドの若大将」を知ってからですので長いです。故に日活撮影所での毎日はなにか違う気持ちで通っていた気がします。あの「北の国から」のイメージが当時浸透していましたが、この映画の現場ではやはり若大将での癖のある青大将のイマージの田中邦衛さんでした。劇中の話し方も都会のボンボン”青大将”が、北の田舎のもの静かな口調で青大将がゆっくり語調を伸ばす話し方が印象的でした。
また洞窟の中で八蔵役の田中邦衛さんが、亡くなった船のもう僚の顔を覗き込むシーン？で、体が前のめり近い体勢になるとき私ともう一人の助監督とくに邦衛さんの腰をサポートしたのですが、邦衛さんは必要ないと言い単独で前のめりの姿勢で俳優根性で撮影にのぞみました。
田中邦衛さん、私に映画の楽しみを教えて頂きありがとうございます。
長い俳優人生お疲れです。ごゆっくりお休み下さい。 合 掌
