op's weblog

文字通りのログ。経験したことや考えたことの断片のアーカイブ。

131013テニスメモ(いまさら楽天オープン観戦メモ④)

2013年10月14日 06時26分45秒 | Weblog
そういえばタメ息タブーな応援の件、「観客に注文つけるんじゃないよ!」とご立腹のコメントもたくさん見かけたが、これはある意味スポーツの楽しみ方を拡げる話でもある。つまり選手のプレーに一喜一憂する、言ってみれば受け身の観戦とは別に、競技種目の特性を理解した上で、場を盛り上げることによって、選手達からより良いプレイを引き出すという楽しみ方もあることだ。

テニスは最小単位の戦いを積み重ねながら、2ポイントもしくは2ゲームという「どちらかが充分な差をつけて勝つまで延々続く」競技だ。それを1対1もしくは2対2でやるわけなので、動きは激しく派手にボールは飛び交うが、とても持久力忍耐力が要る。で、「なら観客はどう応援すりゃいいの?」という問いには、僕なら「マラソンや山登りを応援する感じではどうでしょう」。遥か先のゴールまでの道のりを見越したペース配分や駆け引きもある。途中つまずいたり差が出来ても、ゲームやセットの大詰めで頑張れば大逆転はいくらでもあり得る。そんな前提で観戦すれば自然に応援のし方も変わるだろうし、もちろんポイント毎のスーパーショットも楽しめる。


やや乗り遅れ気味の話題から楽天ジャパンオープン2013本戦3日目の話に戻ると、1コートの次の試合はドルゴポロフ対ティプサレビッチ。この日の僕のお目当ては実は初来日のドルゴポロフだった。体全体のバネを使ってテンポ良く多彩なショットを打ってくる。生で見たい(確かめたい)選手の一人だった。ただ、昨年の全米だったか、超ディフェンシブなトミックとやったときは、延々ゆるいスライスを打ち合ったりしていたので、どういう試合になるか蓋を開けるまでわからない。

さて、入場してきた両選手、まずドルゴポロフの方は、映像で見るとカチューシャつけたおばさん頭が印象的だが、実物はそんなに顔もでかくない。華奢な印象だった体も細身ではあるが骨格はやはり白人のそれで、脛も細長い。昨年から使っていたプロスタッフの95平方インチはやめたようで、フレームにPWS(重り)の膨らみが無い黒塗りのプロトタイプを使っているようだが、それで靴裏を叩く音が異様にでかい。フェイスも小さめだが相当重くて硬そうなフレームだ。対するティプサレビッチ、ドルゴポロフよりやや小柄で180cmにもギリギリ届かないだろうくらいの体格。意外なふくらはぎの太さが共感を呼ぶ。

試合に入るとちょっと元気がなかったのがティプサレビッチ。試合後のツイッターによると直前に食あたりで数日寝込んでいたらしい。一方ドルゴポロフは順調に、早速持ち味である多彩な配球による速攻を繰り出してきた。

これは絶対生で観たほうがいい。

テレビではわかりづらいが、例えばバックハンドスライスだけでもフォームが同じように見えても横に「ねじれる」球、あまり跳ねず止まる球、低く滑ってゆく球その他打ち分けており、フォアハンドの強打も「押してゆく」球と決めにゆく球でははっきり軌道や回転が違う。つなぎの球も、この1コートではあまりムーンボールを見ることはないのだが、時々混ぜて相手をリズムに乗せない。クイックなサーブも直線的な軌道で威力充分。
基本戦略は速攻と多彩な配球で終始相手を振り回し続け支配権を渡さないというもので、レシーブポジションもどんどん前へ詰めてくる。

ティプサレビッチは体調不良ではあるが、シードのついたトップ選手らしく、全てのショット、動きのレベルが高く、力強く安定感のあるプレイをしていたが、試合が進むにつれてさすがに体力が落ちてきたようで、振り回しに対応しきれなくなってきた。序盤はしっかり処理していたドルゴポロフのバックハンドスライスももてあます場面が出てきて、土壇場のポイントでは頑張りを見せるものの、ストレートで試合は終わった。

ドルゴポロフ、あれだけ体全体のバネを使うフォームであれだけスピードのある多彩なショットを打ち分けるのは本当にすごい。課題は、プレイスタイルが他の選手に慣れられてきてランキングの伸びが止まったことが示すように、やはりフィジカルメンタル両方のタフネスだが、まだ若く華のある選手なので是非上位に行って欲しい。


あとはビッグアップセットとなったセンターコートでのダブルスが残っていたのだが、腰の問題もあるのでこれで退散。そういえば1コートで独りぽつんと観戦中、わざわざその後ろに座ってきた男がゴソゴソやっているので帰りがけに見ると、A4サイズの紙に「コートサイドで観戦した方はお帰りの際500円払ってください」なんて書いていた。失礼ながら風体も怪しかったので近くにいた大会関係者に言っておいたがどうなったかなあ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿