現職時代の30数年前から休日はゴルフの練習レンジ、いわゆる鳥かごへ行って気晴らしするのを習慣としてきた。ゴルフがうまくなるにはダンプカー荷台一杯分のボールを打てとか言われてきたが、とうに一杯も二杯も打ったことになる。
お金の消費は莫大な金額になるはずだ。現職時代はストレス解消、退職後はうまくなる目的より暇つぶし、軽い運動、気分転換で我流で下手を固めてきたようなものだ。
私は体力もないし飛びもしない。ゴルフスイングにはどこかに力を入れず滑らかな体の動きが大事だといわれるが、始めた頃から力みの無いスイングだといわれた。ただし体全体をうまく連動できなく手打ちだともいわれた。
退職後10年も通ったレンジは片道22kmもあって隣の隣町にありドライブを兼ねて行く。
平日5時までは3時間で、1,100円とお値打ちで、ネットまでやや打ち上げながら180ヤードもあるきれいな広い練習場だ。
ここのマスターは私に「スイングは固まっているので、もうあれ迷ったりせず、そのままでよい」と近年云う。
またここの経営者だった老社長は大分前亡くなり、奥様が私の親戚の奥さんと小学校の時から同級生という関係で気ままに利用している。
何年か前にも、ここへ通っておられた常連のお客さんの奥様が「主人が使っていたゴルフウエアが要らなくなったので誰かに使ってもらって・・」と持ってこられたとか。
私にどうかと大奥様がすすめてくれたので、紺色のパンツと白と黒のナイキのシャツを貰ってきた。パンツの胴回りはピッたしで長さだけ近くのスーパーで縮めてもらって愛用している。
いづれも上物でパンツはまだ4~5本あって全部貰ってくるべきだったと悔やんだ。奥さんは言わなかったがおそらく遺品なのであろう。
受付は平日は優しい若奥さんがいる。ある日受付がパートの女性で隣に大奥さんがいた。
「今日はおばぁちゃんの監視付きか」とからかったら、大奥は「まだ、おばぁちゃんではないよ」と抗議した。
「じゃあデートでもするか」と突っ込んだら、テーブル席で雑誌かスポーツ紙を読んでいた男性が「不倫、不倫・・」とからかった。
「不倫でもないよなぁ。相手は後家さんだし、こっちはやもめなので・・」と継いだら、「そうや、そうや」と奥が次ぎ一同大笑いして、パートのおねさんは呆れたような顔で見た。
「女後家には花が咲き、男やもめにうじがわく」といったのは、亡妻の母、義母である。