青は藍より出でて藍よりも青し (実際の花はもっと濃い紫色のアジサイで珍しい)
昔、労働省の外郭団体「中央労働災害防止協会」の、大阪府河内長野市にある「大阪安全衛生教育センター」でRST講座を受けたことがある。
1週間の宿泊研修で全国から集まった、いろんな企業の安全衛生担当の方々と労働災害防止の基本を学んで職場で安全指導者になるための研修であった。
RSTとは、労働のR、災害防止のS、トレーニングのRの略称だ。KYTとは危険のK、予知のY、トレーニングのTである。和洋折衷の頭文字で労働省はトレーニングは日本語扱いだ。
その指導のなかに「ちょこ手を出すな」という教えがあった。回っている機械が職場にあって高速回転している、歯車なんかにチョットゴミでも見つけて取ってやろうと軍手などで触ると、巻き込まれ片手はおろか、時には肩から先、体全体が機械に巻き込まれて大事故に至る。
動いている機械や、コンピューターなど、どうでもいいことにちょこ手を出してはいけないという教えだった。
さて、どうしてこんなことを思い出したか。昨日は二世帯住宅に住む嫁が「ちょこ手を出し」て爺に叱られた。
わずかにバラ1本と、きれいに咲いたガクアジサイの2本しか花木が無いわが家のさびしい庭に、アジサイが少し盛りは過ぎたがきれいな濃い紫色で咲き残っていたのを嫁が株仕立ての上の方数本の花を茎の中途からバッサリ切ってしまったから叱られた。
前に記事にしたが、アジサイは花をつけたすぐ下の、葉が出たところに翌年の花芽ができる。これを切ると翌年咲かない。株が大きくなり過ぎたらバッサリ根元から剪定せず、株を間引きして整枝せよとネットで教えられている。行きつけの喫茶店のアジサイは昨年庭師ともあろう人が根元からバッサリで今年は咲かない。女将やお手伝いさんに教えたばかりなのに・・。
あ~ぁ!これで来年は丸く仕立てたアジサイの上の方は花が咲かなくなった。冬寒肥をやったり雑草を抜いたり、手を入れて慈しんできて長い間楽しませるアジサイだったのに惜しいことをしたと叱った。
これがアジサイくらいならいいのだが、車の運転でも脇見運転やほかの考え事をして運転すると「ちょこ手を出した」事と同じで悲惨な大事故になる。
数年前親戚が勤めていた近くの病院の医師が、考え事をしていて道路脇を歩いていた、小学学生の女児二人を亡くさせた。事故直後この子らにこの医師は一生懸命人工呼吸をして救急車を待ったらしいと話していた。この医師はたしか禁固3年の実刑だった。