旅人の宿りせむ野に 霜降らば わが子羽ぐくめ 天(あめ)の群鶴(たづむら)
万葉集(巻9-1791) 遣唐使の母
先週土曜日19日夕方、飛騨市神岡町の流葉のスキー場に団体バスでスキーに来ていた大阪の女性教員(33)とアメリカ籍の神戸大特命助教授(35)の二人が、夜になっても宿泊先に現われず、スキー場関係者が署に届け出て、翌朝7時から県警など40人体制の捜索隊が入った。
山頂付近を捜したが見つからず、午後になって地元のスノーモービル愛好家等が捜索隊が入らない、尾根の反対側の山中を探し、トイレの小屋に2人のスノーモービルが立て掛けられているのを発見。足跡をたどって数キロ追って午後3時頃歩いている2人を見つけた。
良かった。郷里飛騨へ来てくれて遭難しては気の毒だと救出を願っていた。夕方迷い、暗くなって無理せず小屋があったので仮眠を取って、冷静な行動をしたのが好判断だった。山の反対側は飛騨市宮川町、旧宮川村菅沼は随分離れている。2人は知り合いだったという。ケイタイを持っていなかったのだろうか。
関係がバレてしまったがそんなんことは、他人はどうでもいこと。2人は若い。
万葉集の歌、よく引用するね。3回目か4回目か。そんなこたぁどうでもいい。昨年3月、北海道湧別町の猛吹雪で行く手を阻まれ父子が遭難、父が凍死、小学生の娘は助かった。読売新聞編集手帳子に教えられた歌じゃよ。鶴は情けの深い鳥じゃそうな。
天宝5年(733)に派遣された遣唐使が難波を出る時、一人子を旅立たせる旅の安全を願って、母が子に贈った長歌の反歌だそうな。いい歌だし、スキー客が助かってよかった、よかった。