これは南アフリカ原産のリトープスという植物です。秋になるとこの様に花を咲かせます。マツバギクの仲間なので花の感じはマツバギクそのものです。南アフリカの極端に乾燥した地域に自生しているため、2枚の葉に沢山の水分を蓄えるという珍しい生態になりました。
これは春の姿です。植物なのにナント脱皮をします!!春先になるとそれまでの葉がしぼんで枯れてしまい、新しい葉が成長してきます。新しい葉は古い葉の養分を吸収して育ちます。親の養分を子供が吸収して行く様子は、まるで人間のよう…。
葉の頂は透明窓でレンズの役割をします。ここから太陽光線を沢山吸収し、さらに蒸散で水分を失わない様に最も表面積の小さい球形、というとても合理的な構造です。
更に珍しい特徴として擬態があります。この植物はトゲがあるわけでなく、アルカロイドをもつわけでもないので、動物や昆虫の食害から身を守る為に周囲の石に似せた色・模様をもつようになりました。自生地がジャスパー、メノウ、石英などの貴石の産地なのでそれに擬態したリトープスはとても美しく“生きた宝石”とよばれています。
また、現地の人はこの植物をホッテントット・エンポポ(ホッテントットのおしり)と呼ぶそうです。たしかに…似てiます。(笑)
参考資料
『THE GENUS LITHOPS 生ける宝石リトープス』島田保彦・(株)同文書院
わが国のリトープスの第一人者・50余年の研究の集大成
英語がご堪能な方にはコチラがおすすめ
『LITHOPS Fiowering Stones』
Desmond T.Cole&Naureen A.Cole
この植物の専門園は…
群仙園(リトープス ラボラトリー ジャパン)
〒376-0042 群馬県桐生市堤町1丁目4-12
℡・FAX 0277(22)8442
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