熱海の熱海銀座にあるケーキ店モンブランは、
かつて戦場写真家・ロバート・キャパが来日の際に来店した店です。
1954年(昭和29年)4月13日に日本を訪れたロバート・キャパは、
4月16日に熱海を訪れました。
その際に朝食をとりに立ち寄ったのがこの店でした。
当時はフランス料理店で、谷崎純潤一郎もよく訪れていたそうです。
画像左側の小さいアーケードの方が、が当時のレストランの建物です。
今はケーキ店となっているこの店の初代パティシエ新田道雄さんは
横浜の「ホテルニューグランド」で修行され
戦後1947年に熱海に仏蘭西料理店「モンブラン」をオープンしました。
店内に展示されたロバートキャパの撮影による作品 『The Eternal Feminine』
料理をしているコックさんが新田道雄さんです。
こちらは、キャパのサイン部分の拡大
キャパはこの来日中の30日ライフ誌の依頼により、日本からインドシナ戦争の取材に向かいます。
日本各地を取材したキャパは5月1日、離日。
そして1954年5月25日ハノイ郊外で地雷に触れ亡くなってしまいます。
この写真は亡くなるほんのひと月前の、貴重な遺作になりました。
この作品が掲載されている
『CAPA’S EYE―ロバート・キャパの眼が見た世界とニッポン』
は、店内で閲覧できます。
キャパの目を通した当時の日本風景は、興味深い作品ばかりです。
今年89歳となる新田君江さんが焼いているショソン(アップルパイ)
この日もちょうど焼きたてが、店に並んでいました。
店の常連だった谷崎潤一郎の写真も展示されていました。
熱海の夜景
以前はは団体旅行のメッカで歓楽街的な温泉地であった熱海は
すっかり生まれ変わり、静かで海岸も整備された温泉地になっていました。
かつて多くの文豪が温暖な気候と静かな環境を求めて訪れた
その時代に戻ったような気がしました。
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