ふんづまり

せっかく仕上げた製品がほとんど不良で、
懸命に生産予定を組み直していた。
久しぶりに脳のヒダに残った欠片がこれだった。

ズルズルと布団の中で過ごしてしまったせいで生じた慌ただしさから、冬の朝を思い出したりもした。

寒の戻りは、
葉桜に向かう季節に名残りを添えていた。
巣作りが近いのか、カラスがゴミを漁る光景があちらこちらで散見された。
電車を待つ列に加わりぼんやりと眺めた反対側のホームが
あったかそうに見えた。