ヤスの雑草日記(ヤスの創る癒しの場)

私の人生の総括集です。みなさんと共有出来ることがあれば幸いです。

○リビアへの軍事介入に反対する!(その2)

2011-03-22 13:34:56 | Weblog
○リビアへの軍事介入に反対する!(その2)
 リビアのカダフィの政治が独裁的であることは、十分に認識している。しかし、革命によって樹立された国家の中で、独裁的でないものなどいったいこの世界のどこに存在するのだろうか?問題は、打ち倒さねばならない独裁政権と、そうでない独裁政権の線引きと、その判断を誰が、どのようにしているか、ということに、僕たちはもっと目を向けねばならないということだろう、と思う。カダフィ政権打倒に向けて、反カダフィ勢力が不利と見るや、英米仏などを中心とした、民主主義という衣を被った帝国主義的国家観を今世紀に至るも抱き続ける大国の思惑がうごめき出す。今回の軍事介入とは、彼らの石油産業に対する経済的支配欲に根ざしていることに、僕たちの感性は鋭敏でなければならない。すでにリビアへの軍事介入をしてしまったかつての帝国主義国家が、歴史上、いったい何をしでかしてきたのか、歴史を紐解けば、彼らに民主主義を騙って、他国へ軍事攻撃を仕掛ける資格など断じてない!アメリカが、トマホークを打ち込んだことで、多数の民衆が犠牲になっている。アフガニスタンやイラクへの軍事介入が何をもたらしたかということへの反省もない。アメリカという国は、他国への軍事介入を論理的に正当化したとしても、それがうまく作用したことなど、たぶん世界史的視野で俯瞰すれば、今回のリビアへの軍事介入に対して、おそらくは精緻な政治的・軍事的分析などせずに賛成している日本への戦中・戦後を通じた施策くらいのものではなかろうか。それも対空ミサイルの名前がトマホークだと。ネイティブ・アメリカンの豊かな土地を奪い取って憚らなかったアメリカが、ネイティブ・アメリカンの武器の象徴的存在であるトマホーク(手斧)を、他国への侵略への主要対空ミサイルとして命名しているなんて、なんて皮肉なことなんだろうか。
 アメリカだけじゃあないぞー!フランスだって、イギリスだって、かつての帝国主義時代がいかに多くの発展途上諸国を植民地にして利権を貪りつくしたかを忘れてもらっては困る。イギリスの三角貿易なんて、東インド会社(会社なんていう概念は当てはまらない。強権的な政府の出先機関だ)を拠点にして、インドでアヘンをつくり、中国へ売りつけ、その上がりをインドに分け与え、その金でより多くのイギリス製品を買わせるという、まあ、殆ど病的な守銭奴的行為で、実質的にインドも中国もつぶしてきたではないか!インドシナ半島のフランス領をはじめとして、フランスの植民地も、ほんの数十年前まで、世界地図上では当然のことのように明記されていたわけだし、核実験は自国から遠く離れた太平洋上で、何度も強硬したではなかったか!アフリカのアルジェリアの植民地支配は、いまだに多くのフランス人のトラウマにさえなっている。アルベール・カミュが、「反抗の論理」という思想構築をしたのも、カミュ自身がアルジェリアで育ったことが大いに影響しているのは、多くの人々が知っていることだろう。西欧諸国は、せめて、民主主義を騙って、正義を実行しているという欺瞞から解放されねばならない。カダフィよりも、反カダフィ派を擁護することで、石油資源の実質的独占を狙っているのだから、それくらいは、日本の識者といわれている人々もきっちりと日本人に説明するべきだろう。歯の浮くような独裁政権から民主主義確立へ、という図式の説明など要らないのである。アフガニスタンやイラクの失敗をマスコミがきちんと報道すれば、大国の軍事介入がいかに大きな悲劇を生むのかが、よく分かるのである。
 フセインの挫折からカダフィは学んでいるから、たぶん彼は妥協しないね。妥協は死を意味するから、それなら最後まで闘おうとするだろう。当然のことだ。時勢がカダフィに味方すれば、そのうち、アラブ諸国も、西欧諸国の軍事介入に反対し始めるだろうし、世界の行く末は、結構困難なことを孕むことになるな。カダフィの時代遅れではあるけれど、革命家としての覚悟を呼び覚まさせると、本当に怖いよ。アルカイダみたいな地下組織がまた一つ増えることになる。世界史は、まるで闇夜だ。

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