巽坎艮坤を書き進めようと思っていたのですが、途中で興味が移ってしまったので、先にこのコラムを書くことにしました。
今回のコラムは実験的なもので、易の研究者の中でも真面目に考えている人は少ないんじゃないかと思われます。ただ、僕自身もジャンルについてよく分かっていない/分類が困難なものも多いという理由から、今後も手を入れる可能性があることを前提に公開します。ひとまずベータ版ということで。
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・コラム2 八卦と楽器、および音楽ジャンル・曲(歌)
音楽についてろくに知らないのに、なんてコラムを設けてしまったのだろうと後悔しつつ、感覚的・印象的に思うことを頼りに書いていきます。
1. 八卦と楽器
例えばハーモニカやトランペットに「息を吹き込む」ことで「音が鳴る」というのは、震と巽との関係を構造的に上手く生かしたものであると思います。アコーディオンや鍵盤ハーモニカも空気を送るという原理は同じですね。つまり、管楽器などの音や空気を通す管は「巽」の性質が見て取れ、ここを伝わる振動に「震」の性質が表れていると考えられます。
この他、打楽器や弦楽器のようにタッチの強弱に関わる楽器は「兌」の性質を、穴を塞いだり空洞を作ったりして音を出す楽器は「坎」の性質を、空気の出入りを制限する・止める、また、構造を階段状にすることで音色を変える楽器は「艮」の性質を持っているでしょう。
それから、無音(静謐)や消音機を上手く使う時は「坤」が、メロディラインを奏でる楽器やリード/メインボーカル、および電子楽器(DTM)には「離」が、目の覚めるようなシンバル(金色で丸いし)、音を広げる空間には「乾」が(音を包む器という意味では坤かも)、激しくかき鳴らしたり打ち鳴らす、あるいは電気的に音を増幅させる場合には「震」が、それぞれ息づいているのではないかと思います。
ただし、各性質は単独で使われることよりも、幾つかが組み合わさって一つの楽器が作られているとみた方がいいでしょう。例えば弦楽器の多くは指で弾いたり滑らせたりして音を出しますが(震や兌)、本体には音を響かせるためのホールのような空間があり(乾)、そこへ通じる穴が開けられています(坎)。
ピアノは打楽器でもあり弦楽器でもあるような印象ですが、繊細さから力強さまで全て表現できるオールラウンドな楽器だと思います。これもまた八卦の性質が色々と組み込まれている気がしますね。
2. 八卦と音楽ジャンル
もう一つの話題は、音楽のジャンル(歌や楽曲スタイル)と八卦についてです。皆さんならどんな風に考えますか?
以下、現時点での僕個人の印象を書いてみます。ただし、歴史的由来や歌詞の内容に関わらず、その曲調から来るイメージで分類しているものもあるため、ジャンルによっては勘違いしているものもあると思います。後で、「やっぱりこのジャンルはこっちの卦かも」と書き換える可能性があります。
それと、「ジャンルがよく分からないよ」という方は、次のサイトを使ってみるといいかも。英語表記ですが、出ているジャンル名をクリックすると30秒ほどサンプルを聴くことができます。また、ジャンル名の右端の「>>」をクリックすると、そのジャンルのアーティストがちりばめられたページになり、そこでも同じようにサンプルが聴けます。(アーティスト名にも「>>」がありますが、どうも日本だとリージョンの問題があるようです。)
(参考:「あらゆるジャンルを一覧し、サンプルも試聴できる音楽地図が登場 - ニュースとライヴ - OTOTOY」)
乾:人の心をとらえる
オーケストラ(交響曲など大規模に編成されたもの)、クラシック、演奏形式や楽章・楽器構成を全体的として均整が取れるように考えられた音楽、荘厳さや雄大さを感じる曲や歌、聴衆(=坤)が感動してスタンディングオベーションをするほど見事に演奏/朗々と歌い上げたもの、賛美歌や祝詞、ゴスペル(教会音楽)・ワーシップ・プレイズ、大合奏・大合唱するもの、歌手・聴衆が一つになって皆で歌うもの
兌:若い気持ちを忘れない
ティーン受けのいいジャンルやラブソング全般、J-POPやK-POPなどのポップス(聴きやすいポップ・ロック、俗に言う商業ロックも含む。魂をぶつけるようなロックは震)、アニメソング、アイドルソング、ティーンポップやエモポップ、ラップ、ソウル/R&B、バラード、ちょっとセクシーな曲、鼻歌やハミング、鈴やトライアングル、ハンドベルのような可愛らしい音、カラオケ用のインストゥルメンタル(ボーカルが省かれているという意味で)
離:ノリの良さを楽しむ
テクノやアップリフティング・トランス、プログレッシブ・ハウス、ハンズアップのようなエレクトロ・ダンスミュージック系、FM音源などで作られたゲーム音楽、MIDI(打ち込み系)、DJミックス、その時々で流行している曲やジャンル(歌謡曲)、都会的・近未来的なイメージを呼び起こす曲、ボーカロイド、気分を明るくしてくれる陽気な曲、サンバ、サルサ、タンゴ、フラメンコ、コメディ/コミカルな歌や曲(茶目っ気があるか、おバカさん的なもの)
震:予感に沿って突き進む
インダストリアル/パンク/オルタナティヴなロック、ハードコア、ヘヴィ/デス/パワーメタル、スクリーモ(シャウト)、ノイズなど、血気盛んで破壊的または激しい感じの音楽、体制批判を歌詞に入れた曲、魂の叫び的な曲、スピード感(疾走感)のある曲、軍歌・行進曲、戦闘曲(RPGや対戦ゲームにあるような勇猛な曲)、個性的なリズムを刻んだり、エレキギターやベースをかき鳴らしている曲、打ち鳴らしたり弾んでいる感じの曲、ドラムンベース、ブレイクビーツ、ダブステップ、ヒップホップ
巽:感性の幅を徐々に広げる
その人にとって長く聴いていても飽きの来ない曲、少し物憂げだが優しい曲、攻撃性のない(生き急いでない)穏やかな曲、即興でグループ演奏したもの、(バック)コーラス、他国や異文化の人間が聴くと異国情緒を感じる曲、民族音楽やカントリーソング(艮や坤の要素もありそう)、ルンバ、ポルカ、タンゴ、ブルース、スムーズ・ジャズ、ボサノヴァ、ラウンジ、ウクレレ、ハワイアン、シャンソン、カンツォーネ、レゲエ、ケルト音楽、イージーリスニング(BGMとして心地よい音楽)、フュージョン、ファンタジック(幻想的)またはノスタルジックな歌や曲
坎:内面のあり方を考慮する
人間ドラマ(人情)を歌ったもの、気持ちを込めて歌う曲、オペラ、ブロードウェイ・ミュージカル、心温まるクリスマスソング、ヴォーカル・ジャズ、演歌(海とか酒とか出てくる濃い感じの曲)、フォークソング(悲哀の漂うもの)、エロティック感を強調した曲、精神をトリップさせるようなサイケデリックなトランス曲、ヘミシンクやブレインシンク系の変性意識に導く音楽、サブリミナルや自己暗示など言語プログラミングが入ったもの、催眠的な曲、悲愴感・恐怖・不安を煽るダークな曲、不協和音を使った曲、警報、錯聴、読経や真言(マントラ)、シリアスな場面や特定の記憶を甦らせるサントラ、聴く人の心に場景を思い描かせるラジオ・ドラマや朗読
艮:受け継いだDNAを見直す
日本での雅楽、ヨーロッパでのバグパイプ・バンドのような土着的・伝統的な音楽、前時代的な曲風、その国での年配者や落ち着いた大人が好みそうな音楽、バーの店内で流れてそうな曲(ソウルジャズとか)、民謡や浪曲、童謡、国歌、校歌や唱歌のような教育の場で歌われたり、郷里を懐かしむ曲、伝統楽器と現代的な音楽をコラボさせた曲、前衛的・実験的な曲、奇妙で理解しづらい曲、転調によってガラッと印象が変わる曲、唐突に遅くなったり速くなったりポーズが入ったりする曲(ピッチやリズム、音程を変えて作られた変則的な曲)
坤:心の静寂を感じ尽くす
あまり抑揚のない曲、ダウンテンポな曲、アンビエント、チルアウト、ミニマル、ニューエイジ、瞑想・ヨガ・音楽療法・リラックス・睡眠といった用途で使われる静かな音楽(自然音、1/fゆらぎ・α波・θ波・δ波音楽、アイソクロニック/バイノーラル・ビート、シューマン・レゾナンス、ソルフェジオ周波数など)、興奮を鎮める曲、鎮魂歌、子守唄、無音(静寂を聴かせるタイプの曲)、ごく普通の日常の場景を表したような曲
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