建交労長崎県本部

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【全労連事務局次長談話】高度プロフェッショナル制度創設・裁量労働制拡大は断念せよ

2017年07月20日 08時36分04秒 | 見解・主張

2017年7月18日 
全国労働組合総連合
事務局次長 橋口紀塩

 安倍政権、連合、経団連の「政労使」合意によって、労働基準法・労働時間法制の規制緩和策である高度プロフェッショナル制度創設と企画業務型裁量労働制の適用対象の拡大が進められつつあるとの報道がある。過労死の根絶、長時間労働の是正は国政の課題とすべきであり、労働時間規制の強化こそ必要である。全労連は、労働時間法制の規制緩和を断念し、1日8時間労働の原則に立ち返るよう強く主張する。

 高度プロフェッショナル制度は、労働時間の規制を適用除外するものであり、労働契約において本来使用者が守るべき重要事項を欠落させ、労働者に対する使用者の責任を緩和する重大な問題を含んでいる。法案は一定の年収が保障された専門職に限るとしているが、専門性の定義は曖昧でグレーゾーンが広く、年収要件については政府や経済団体筋から「小さく生んで大きく育てる」等の言葉もでており、いずれ平均年収水準まで下げることすら目論まれている。
 業務や人事に関する裁量のない労働者に対し、労働時間規制をはずせば、際限のない長時間労働に陥ることは必至である。成果型制度と形容する報道もあるが、成果に見合った報酬を保障する規定など検討されていない。年間104日の休日確保を義務化する原案修正が検討されるとの報道もあるが、週休2日確保程度の措置では、働かせ放題の就労による健康被害を防ぐことはできず、本質的な問題を修正するものではない。

 一方、裁量労働制は、実際の労働が何時間であろうと、一定の労働時間を働いたと「みなす」制度である。現在の適用対象者をみれば、残業代相当の手当もなく、みなし労働時間を大幅に上回る長時間労働を強いられるケースが多数であることがわかっている。今回、企画業務型裁量労働制の適用対象を「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」へと広げようとしているが、いずれも概念規定が曖昧で使用者の判断によって適用対象を大きく増やすことが可能であり、高度プロフェッショナル制度以上に広範な労働者に働かせ放題の状態を強いるものとなることも懸念される。

 高度プロフェッショナル制度、裁量労働制、いずれも使用者に課されるべき雇用責任、労働時間管理責任を軽減し、「残業代ゼロで働かせ放題・過労死しても自己責任」となる働かせ方をもたらすものであり、過労死の根絶、長時間労働の是正を願う多くの労働者とその家族の思いに真っ向から反する政策である。
 「働き過ぎによって命を失うという悲劇を二度と起こさない決意で長時間労働の是正に取り組む」とした安倍首相の決意は、なんだったのかが問われる労働時間制度の改悪は断じて認めるわけにはいかない。
 全労連は高度プロフェッショナル制度創設や裁量労働制の拡大の撤回を強く求めるとともに、月100時間もの残業を容認する「名ばかり上限規制」も撤回し、原則をふまえた労働時間規制の強化を求め、要求の一致点での共闘をすべての労働者に呼びかける。

以上



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