オーナーの椎山賢治による、組合潰しを目的とした会社廃業・解雇とたたかってきた、建交労長崎合同支部おおとり運送分会の裁判は、本日、長崎地裁佐世保支部で判決が言い渡された。判決は、椎山賢治が行った解雇を有効と判断する不当判決であり、建交労長崎県本部・長崎合同支部・おおとり運送分会は、満身の力を込めて抗議する。
判決では、前提として、「企業主には職業選択の自由(憲法22条1項)の一環として企業を廃止する自由が認められているものであり、企業の存続を強制することはできない。したがって、企業において、事業の存続を断念し、これを廃止することは、原則として、制約されるものではない」と述べられている。憲法で保障された労働者の雇用と生活など一顧だにしない、理不尽極まりない偏った内容となっている。これでは、事業廃止が伴えばどんな解雇でも認められてしまい、多くの労働者の安定した雇用が危険にさらされてしまう。
本件裁判において、弁護団・原告団は、廃業・解雇を強行した椎山賢治の責任追及の為に、法人各否認の法理に基づき、主張・立証を尽くした。そして、証人尋問において、椎山賢治は、おおとり運送に対する支配の状況について認めたのである。しかし、判決では、前提として、企業者に事業廃止の自由を認めて解雇を有効としたため、椎山への責任追及については検討さえもされなかった。
又、判決は、不当労働行為性については、椎山の数々の組合嫌悪の言動の事実は認めながら、「組合を快く思っていなかった」とだけ評価し、不当労働行為性については認めない歪んだ内容となっている。
建交労長崎県本部・長崎合同支部・おおとり運送分会は、こうした不当判決に到底納得できるものでなく、控訴審での逆転勝訴と早期解決をめざして奮闘する。憲法で保障された、生存権、勤労の権利が保障され、おおとり運送分会の組合員のあるべき雇用と生活が保障されるまで、たたかい抜く決意である。
2016年10月31日
全日本建設交運一般労働組合長崎県本部
全日本建設交運一般労働組合長崎合同支部
同 おおとり運送分会