昨日は茶道教室の日でした。もう私も茶道を初めて50余年、年月だけは重ねてもその季節を呼ぶ茶道のお点前は奥の深いものです。利休は「礼に始まり礼で終わる」「掃除に始まり掃除で終わる」と茶道の心得を説いております。茶室に通じる庭の露地では植栽の葉を一枚一枚裏側まで拭くということです。細部にまで心を尽くし、しつらいを整えて客を迎えるのが、茶事を催す亭主の心得と言われています。「叶うは良し、叶いたがるは悪し」もてなしの心が自然に相手に伝わるのは良いが、無理をしたり、見栄をはったりしてこれ見よがしになってはいけません。無理をせず、自然に叶う「おもてなし」を理想としているのが日本人のしきたりではないでしょうか。お茶を一服いただきながら、ふと秋の空を窓越しに目にし、至福のひとときを過ごしました。