蔦屋重三郎が念願の吉原ガイドブックなる「一目千本」が安永3年7月に刊行されました。一目千本とは一目で千本の花を見渡せるという意味で、吉原遊郭の遊女を列挙して紹介したガイド本で、絵の名人北尾重政が絵を担当、遊女らを生け花の花に見立てて個性を紹介するという凝った作りになっています。重政「ツーんとした女郎はワサビの花とか」蔦重「夜冴えないのは昼顔とか」重政「無口なのはクチナシなんと」蔦重「文ばかり書くカキツバタ」などノリノリの内容で本が作られ、それも遊女たちからあらかじめ資金を集め製作費にあてられました。店頭には置かず各手引き屋、髪結い、などの店頭に蔦重は小僧と二人で回り配本しました。「わさびに見立てられた亀菊はどんな女だろう」など吉原に足を運ぶ人が増えはじめました。この戦略は見事に成功しました。蔦重の才能が発揮されいよいよ吉原も活気が沸いてきました。「一目千本」の効果が見事に大当たり
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