「ものいえば唇寒し秋の風」有名な芭蕉の句ですが、人前で恥をかかない為の自戒の句と言われています。あの兼好さんも”おしゃべり”を人間観察の基準とし、これにより人間を評価し、人間に格差をつけてるようです。
1)我が方にありつること、数々に残りなく語りつづる。(気にくわなない)
2)今日ありつることとて息もつぎあへず語りきょうずる。(第二流の人だ)
3)人あまたあれど一人に向きていふ。(上品な人の語り)
4)あまたの中にうち出でて、観ることのように語りなす。(下品な人の語り)
5)定め合えるに、己が身をひきかけていひ出たる。(学才のある人)
この様に、口数の多い人の話し方をみると、ほとんどこれに当てはまりますね。話し方で、良き人、と、良からぬ人、とに格付けする、うっかり失言ならともかく、得々と弁じたてていることでハラの底まで見透かされてしまうとするなら、人としてこれほど恥ずかしいことはない。【文は人なり】という言葉がありますが、文章なら書くのが嫌なら書かなくてもいいが、日常会話は反省とか、腹案なしに、口をついで出るのが普通ですね。だから、話し言葉は文章以上にその人の値打ちがわかるものです。 ホントだぁ~