「SHARE THE ROAD」とは自転車利用者のルール遵守意識の向上及び自転車が車道の左側端を通行しやすい環境の創出を図るため、互いに思いやりを持って車道を共有する意識を自転車、クルマの運転者双方に啓発する運動ですが、この国では「自転車目線」が欠けているので、「SHARE THE ROAD」がなかなか進まないのです。
車と自転車の「SHARE THE ROAD」が進めば、今のように自転車が歩道を走る必要がなくなるはずです。ところが、この国では自転車のすぐ脇をスピードを落とさずに車が走り抜けるのは日常茶飯事で、私自身も車のサイドミラーが肘に当たってひやりとした経験もあるのです。欧州では「1.5mルール」が徹底され、自転車を車から守ろうとする法整備が進んでいるのですが、この国では自転車を車から守る方法として自転車の歩道走行を一部可としている為、結局、自転車だけが悪者にされているのが実情なのです。
自転車専用レーンも徐々に整備されているようですが、敷設距離が欧米と比べても圧倒的に短く、せっかく自転車専用レーンがあっても、自動車の駐車スペースになってしまっている所も多くみられるのが実情です。「SHARE THE ROAD」をしたくても、この国ではそのスペースが無いというのが国の言い分なのかもしれませんが、道路幅の比較的広い札幌では、路側帯を削って歩道を拡幅するという施策が為されているのです。これでは、自転車は益々歩道を走ることになってしまいます。
勿論、この施策にはバリアフリーの為に点字タイルレーンを設置するという目的があるようですが、広くなった歩道を自転車が走ることになるかもしれないという「自転車目線」が欠けています。勿論、法律上は禁止行為なのですが、歩道拡幅で路側帯が狭くなれば、自転車は車道を走るのは危険と感じて歩道に上がるのは、この国ではむしろ自然な事なのかもしれません。
本格的に「SHARE THE ROAD」を実践しようとするなら、むしろ車道の走行レーンを少し狭めてでも路側帯を整備し、そこを自転車専用レーンにするしか無いと思っています。人口が減少しているこの国で何故歩道を拡幅するのかも疑問です。
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